イングランドが示した王者攻略の方法 菊谷崇「いい手本となる試合。勉強になった」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は26日、横浜国際総合競技場で準決勝の第1試合が行われ、ラグビーの母国・イングランドが2連覇中だった王者・ニュージーランドに19-7で勝利した。元日本代表主将で2011年W杯に出場した菊谷崇氏はどう見たのか。「THE ANSWER」に語ってくれた。
エディーHCのプランニング力を絶賛「勝つべくして勝った」
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は26日、横浜国際総合競技場で準決勝の第1試合が行われ、ラグビーの母国・イングランドが2連覇中だった王者・ニュージーランドに19-7で勝利した。
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試合前から「ハカ」VS「V字」の陣形バトルを展開した両チーム。“事実上の決勝戦”という声も上がる好カードは、キックオフ直後からイングランドが主導権を握った。開始1分36秒で先制トライを奪うと、ペナルティーゴールも決め、前半を10-0で折り返す。後半は自軍のラインアウトミスを突かれてトライを許したが、オールブラックスの形でプレーをさせず。フォードが3本のペナルティーゴールを確実に決め、19-7とリードを広げ、試合終了のホイッスルを聞いた。
W杯での対戦では過去3勝全敗、テストマッチの通算成績でも7勝33敗1分けと、圧倒的に相性の悪かったニュージーランドに歴史的勝利を飾ったイングランド。この日は全く隙を見せないラグビーを展開していたが、元日本代表主将で2011年W杯に出場した菊谷崇氏はどう見たのか。「THE ANSWER」に語ってくれた。
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いやぁ、素晴らしい試合でした。これが決勝戦でもおかしくない、そんなクオリティーの高い戦いでしたね。エディーさんはこの日のために2年半かけて準備したと言っていましたが、その間、代表メンバーはほぼ替えずに徹底的に戦術を叩き込んだ。イングランドが誇るパワーのFWと展開力のあるBKを、若いニュージーランドは止めることができませんでした。この試合のポイントは、準備と経験の違いにあったように思います。
イングランドは出だしからプレッシャーをかけ、1分36秒には先制トライ。ここからすでに準備の違いが見えていました。イングランドは前に出るディフェンスでプレッシャーをかけ、オールブラックスが外にボールを展開できないようにした。外にボールを持っていかれても、前でプレッシャーをかけることは止めずに、FWを動けないようにしていた。ノット・リリース・ザ・ボールを何度も取られたり、ラインアウトでも押し出されたり、今まで見たことのないオールブラックスの姿がありました。
正直なところ、イングランドは80分間でどこまでプレッシャーを掛け続けられるのかという疑問が頭をよぎりましたが、エディーさんが見せた選手交代のタイミングは絶妙でした。その甲斐もあって、最後まで運動量が落ちることなく80分間戦い抜いた。エディーさんはこういったプランニングに長けている優秀なHC。勝つべくして勝った試合でした。