錦織、右手首の腱損傷はキャリアにどう影響? 専門家が語る負傷の原因と復活への道
年内の公式戦欠場は、さらなる飛躍を遂げるための重要な“充電期間”
新盛氏は、錦織の完全復活に向けた道筋についても考察する。
「今後はギブスで患部を数週間固定して安静にしながら、超音波などの物理療法を行います。そして、筋力や可動域が低下しないように、少しずつリハビリをしていくのが一般的な治療の流れです。最近では、超音波エコーを見ながら、“Fascia”と呼ばれる靱帯・筋膜・脂肪など結合組織の癒着部分などを特定し、注射などでリリースする治療法が研究されています。私も、除痛に対して非常に高い効果を得たケースを見ています。非常に期待の持てる治療法の1つと認識しております」
治療院でも実際にエコーで筋膜などの癒着部分に鍼灸治療を加えることで、痛みを減らすメソッドを取り入れている。錦織の手首などの痛みを取り除くために有効な策になるのでは、と提言している。年内の公式戦欠場は、さらなる飛躍を遂げるための重要な“充電期間”になると新盛氏は語る。
「長期間の離脱になりますが、逆に言えば長期間のトレーニングを行えるということです。しかし、ひねる動作などテニスの動きに近いトレーニングを行えば、負荷次第では怪我の再発につながるリスクも高まるかもしれません。テニスの競技動作に近いトレーニングばかりだと、十分な負荷がかけられず、思うようなトレーニング効果が望めないことも考えられます」