[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

陸上100m高校新「9秒995」なのになぜ9秒台認定されない? 達成まで「あと5cm」、競泳とは異なる記録方式

陸上の全国高校総体(インターハイ)男子100メートルで、衝撃の記録が出た。26日にホットスタッフフィールド広島で行われたタイムレース決勝で、石川・星稜高2年の清水空跳(そらと)が10秒00(追い風1.7メートル)をマークして優勝。日本歴代5位タイのタイムで、京都・洛南高時代の桐生祥秀が出した高校記録、10秒01を100分の1秒塗り替えた。

男子100メートルで優勝した清水空跳【写真:荒川祐史】
男子100メートルで優勝した清水空跳【写真:荒川祐史】

インターハイで清水空跳が10秒00 陸上競技のタイムの扱いを解説

 陸上の全国高校総体(インターハイ)男子100メートルで、衝撃の記録が出た。26日にホットスタッフフィールド広島で行われたタイムレース決勝で、石川・星稜高2年の清水空跳(そらと)が10秒00(追い風1.7メートル)をマークして優勝。日本歴代5位タイのタイムで、京都・洛南高時代の桐生祥秀が出した高校記録、10秒01を100分の1秒塗り替えた。

【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから

 大会主催者が公表した記録は9秒995。陸上トラック競技の公式記録は100分の1秒までだが、同タイムの順位を決するために1000分の1秒まで計測されている。ルールでは1000分の1秒以下は切り上げ。9秒991~10秒000まで、すべて10秒00になる。10秒00を0.001秒超えて10秒001になれば、公式記録は10秒01になる。1000分の1秒までの詳細な記録で考えれば、10秒00のほとんどは「9秒台」というわけだ。

 清水の9秒995はルール上10秒00になるのだから、頭に9秒が来ても特に意味はない。ただ、あと0.005秒速ければ9秒台(9秒99)だったとはいえる。100メートル10秒で計算すれば、0.005秒は5センチ。本人が「狙った」という夢の9秒台まで、あとわずかだった。

 ちなみに、同じ100分の1秒を争う競泳では、同タイムの場合は同着。かつては1000分の1秒までのタイムで順位をつけたこともあったが、今は差をつけない。49秒99から50秒00になる直前まではすべて49秒99。1000分の1秒単位の記録は実質的に「切り捨て」だ。

1 2

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
CW-X CW-X
lawsonticket
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集