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なぜ村上茉愛は銀メダルを掴めたのか “日本の弱点”で誇る「Dスコア」という武器

体操の世界選手権(カタール・ドーハ)は1日、女子個人総合で村上茉愛(日体大)は前回女王、モーガン・ハード(米国)ら強敵を抑えて2位となり、日本女子初となる銀メダルを獲得した。「THE ANSWER」では元日本代表の岡部紗季子さんに、歴史的快挙を成し遂げた村上の要因、そして銀メダルが日本女子体操界にもたらす影響を語ってもらった。

世界体操女子個人総合で銀メダルを獲得した村上【写真:Getty Images】
世界体操女子個人総合で銀メダルを獲得した村上【写真:Getty Images】

元日本代表・岡部紗季子さんに聞く快挙の要因、知っていた“着地の動き1歩”の重み

 体操の世界選手権(カタール・ドーハ)は1日、女子個人総合で村上茉愛(日体大)は前回女王、モーガン・ハード(米国)ら強敵を抑えて2位となり、日本女子初となる銀メダルを獲得した。「THE ANSWER」では元日本代表の岡部紗季子さんに、歴史的快挙を成し遂げた村上の要因、そして銀メダルが日本女子体操界にもたらす影響を語ってもらった。

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「すごかった。感動しました。ゆかの後、安心感からか涙ぐむ村上選手の姿を見た時、日本から試合を見守る人たちすべてが、彼女の気持ちを共有していたと思います」

 昨年、わずか「0.100」の得点差で4位に終わり、メダルに届かなかった村上。今年はハードを「0.066」の差で上回り、銀メダルを決めた。

「村上選手の銀メダルの要因は、誰よりもミスが少なかったこと。誰よりも丁寧に演技をしている印象がありました。着地一つ、演技一つにもこだわり、『0.1も落とさないぞ』という気迫を持って勝ちにいったことが、結果に結びつきました」

 村上は予選順位から上位6名の選手が入る第1組となり、得意の跳馬からスタート。同グループには、2016年リオデジャネイロ五輪の個人総合金メダルリスト、シモーネ・バイルズ(米国)、前回大会優勝のハードもいた。

「同等の点数を出す選手たちと同組で回ると、他の選手の出来によって自分の順位の上下も目に見えてわかる。目まぐるしく順位が入れ替わる状況下で、いかに自分の力を信じ、平常心で挑戦していけるかという点も、力を発揮する上で問われます」

 3種目の平均台が終わって村上は5位。1位のバイルズから0.199ポイントの差の中に5人がひしめく状態だった。

「一つの失敗で1点の減点もある。平均台で落下したバイルズ選手は、その後も落ち着いて技を成功させましたが、動揺からすぐには気持ちを立て直すことができず、2点、3点とどんどん減点される場合もあります。最後の種目、最後の着地まで、結果はわからないのが体操です」

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岡部 紗季子

 1988年5月16日、東京都生まれ。朝日生命体操クラブ出身。4歳で体操を始める。02年、ナショナルチームメンバー初選抜。明大では2大会連続ユニバーシアード代表に選出。得意種目はゆか。

 引退後は明大コーチを経て、体操教室で指導を行う。TBS系「KUNOICHI」でも活躍。自身のインスタグラムでは街や海など様々な場所で逆立ちやバック転などアクロバティックな技を披露し、人気を博している。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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