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衝撃の60mドリブル、帰ってきた日本の至宝・三笘薫の存在感 佐藤寿人「アジアでは格の違いが顕著」

視界良好の日本に敢えて鳴らす警鐘「中東の国との対戦でアウェイ感は増していく」

 上田選手は得点場面もさることながら、常に動き出してボールを呼び込み、パスが出てこなくても動き直している。ピッチレベルから見ている僕は90分間唸るシーンばかりでした。動きの連続性は出し手に選択肢を与えます。だからこそ、もう少しチャレンジするボールを出してもいいのかなと思います。

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 彼の良さは、シュート技術の高さやインパクトの強さだけでなく、自分が攻撃の終着点にならなくても周りの良さを引き出せる点にあります。相手DFとコンタクトしながら時間を作り、追い越していく選手を生かせる。フィニッシュの2つ、あるいは3つ前の仕事もできる万能型ストライカーです。

 後半途中から出場した三笘薫選手の復帰も大きい。出場直後はコンディションや試合勘が戻り切っていない印象もありましたが、時間経過とともにスペースが生まれたことで長所が見えました。ペナルティエリア内に数多く侵入し、フィニッシュ場面に絡みました。あれだけ良い形でボールを持てれば、アジアでは格の違いが顕著に表れる。準々決勝以降の戦いに向けて大きな後押しとなる存在です。

 ラウンド16はどの国も苦しんでいた印象ですが、日本は90分トータルをコントロールできていました。グループリーグ初戦で先発出場した細谷真大選手がメンバー外になってしまうほど競争力の高いチーム。他国と比べて選択肢が多いように感じますし、それは中2日で臨む準々決勝でも強みになる。アジアカップ制覇に向けて視界良好と言っていいでしょう。

 とはいえ、次に対戦するチームの質は間違いなくバーレーンよりも数段上がってきます。イランは間違いなく強敵です。強度の高いゲームが予想されますし、自分たちが望むような展開にならないかもしれない。それにトーナメントを勝ち上がるほど中東の国と対戦した時のアウェイ感は増していくはずです。

 その時に日本代表がどんな姿を見せてくれるのか。タフな道のりを戦い抜くために、一瞬でも隙を見せてはいけない。より高みを目指すチームにとって、ここからがアジアカップ本番と言っても過言ではありません。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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