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練習中の大谷翔平で話題「どんな効果が?」 胸に着けた“スポブラ”の正体、二刀流が使用する意義とは

米大リーグ・ドジャースが29日(日本時間30日)、公式X(旧ツイッター)で大谷翔平投手の自主トレ映像を公開した。負荷をかけながらの繰り返されたダッシュで、注目されたのは鍛え上げられた上半身に着用されたスポーツブラのようなもの。ファンからも「なんでブラしてるの?」「どんな効果があるの?」との声が上がったが、これはGPSトラッキングシステムなどを搭載したハイテク機器だ。

ドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】

「なんでブラしてるの?」ドジャースが公開した自主トレ映像で話題になった機器を解説

 米大リーグ・ドジャースが29日(日本時間30日)、公式X(旧ツイッター)で大谷翔平投手の自主トレ映像を公開した。負荷をかけながらの繰り返されたダッシュで、注目されたのは鍛え上げられた上半身に着用されたスポーツブラのようなもの。ファンからも「なんでブラしてるの?」「どんな効果があるの?」との声が上がったが、これはGPSトラッキングシステムなどを搭載したハイテク機器だ。

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 サッカーやラグビーの練習や試合の映像でも、選手が練習着やユニホームの下に着用しているのが目立つ。タンクトップやTシャツタイプもあるが、いずれも背中のポケットにGPSなどのセンサーを搭載した高機能デバイスが入っている。

 この最新鋭のデバイスが、リアルタイムで様々なデータを収集する。位置情報に移動距離やスピード、加速や減速、ターン、心拍数……。動きの量や質、それに伴う体への影響が数値化され、グラフなどで表示される。

 試合中の戦術分析や選手個々のパフォーマンス向上はもちろんだが、大きいのは「ケガの予防」。体への負担や疲労度などを数値化し、トレーニングのメニューに反映。過度な負荷をかけずにトレーニングを最適化することで、ケガのリスクを回避するわけだ。

 トレーニングで問題になるのは「やりすぎ」。体への影響を考えず、無理に続ける練習は故障につながる。データをもとに「ここまでは大丈夫」「これ以上は危険」と判断し、個々の選手に最適な量と質のトレーニングを課す。

 スポーツの現場に導入されたのは、2000年代に入ってから。それまでも練習中に心拍数や血中乳酸濃度を測ることはあったが、より高い精度で多角的なアプローチが可能になった。ここ10年くらいは特にサッカーでの導入が本格化。FIFAは15年から、Jリーグも16年から試合中の着用を認めている。

 当初はトップカテゴリーのチームだけが利用していたが、最近は普及や各社の競合によって価格も落ち着き、大学や高校、育成年代のチームにも広がっている。サッカーやラグビーだけでなく、他のスポーツにも波及。野球でも導入が進んでいる。

 野球に限らずスポーツの現場では、トレーニングや調整法を「経験則」に頼る部分が大きい。それを最新のデータやテクノロジーで修正し、方向転換しながら最適なものを探っていく。だからこそ、明確に数値化されるGPSトラッキングシステムは貴重なのだ。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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