かつて大谷翔平も行ったPRP療法を施すケースも増 DeNAバウアーの「右腸腰筋遠位部損傷」とは
プロ野球・DeNAのトレバー・バウアー投手が1日、出場選手登録を抹消された。8月30日の阪神戦の打球処理時に負傷し、右腸腰筋遠位部損傷と報じられている。故障と予想される復帰へのプロセスについて、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
故障と復帰プロセスを新盛淳司院長に聞く
プロ野球・DeNAのトレバー・バウアー投手が1日、出場選手登録を抹消された。8月30日の阪神戦の打球処理時に負傷し、右腸腰筋遠位部損傷と報じられている。故障と予想される復帰へのプロセスについて、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
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今回バウアー選手が痛めた腸腰筋(ちょうようきん)は、腰から股関節の前にかけて走る筋肉です。股関節を曲げたり捻る動作に加え、腰部の安定性を提供し、脊椎の動きをサポートします。
腸腰筋遠位端損傷とは、腸腰筋の下部、股関節側の部分の損傷を指します。これらの損傷は、急激な動作による外傷や、腸腰筋の使い過ぎによって引き起こされることがあります。特にランナー、ダンサー、サッカーなどの競技のアスリートに多く見られます。
バウアー選手の守備時の動画を見ましたが、スローイングの際に、右股関節は伸びながらも急激に体幹を捻っています。腸腰筋は伸ばされながらも強く収縮しているので、そこで患部に過負荷がかかり、損傷してしまったのかもしれません。
腸腰筋遠位損傷の症状は、一般的には、鼠径部の痛みがあります。股間節を曲げにくくなったり、体重を支える際の痛みなどが起こります。
バウアー選手のような右投げ投手の場合、投球の際に左足を前に踏み出し、右足の股関節は伸びます。そこで腸腰筋がストレッチされ、痛みを生じやすいとも考えられます。
治療は、まずは患部を安静にすることです。そして、徐々に運動負荷をかけて段階的に復帰していきます。損傷部位の修復を促す目的で、PRP療法も行うケースが増えてきました。
PRP療法とは、自身の血液から傷を治す成分である血小板が多く含まれる部分を抽出したのちに、再度患部に注入する療法です。エンゼルスの大谷翔平選手が2018年、予防的措置で右肘にPRP療法を行ったことでも知られた治療法です。
バウアー選手の復帰目処は、損傷程度によります。軽傷の場合なら復帰まで4週間程度。もしも、腱まで痛めてしまった場合は6週間から12週間という長期離脱のリスクもあります。今季移籍1年目で素晴らしい投球を見せていたバウアー投手。一刻も早くマウンドに戻ることを祈っています。
(THE ANSWER編集部)