大谷翔平の相棒オホッピーが損傷した「関節唇」とは 原因&回復プロセスを専門家に聞いた
米大リーグ・エンゼルスのローガン・オホッピー捕手が左肩関節唇(かんせつしん)の損傷で手術を受けると球団が発表した。全治4~6か月の見込みで、今季絶望の可能性も浮上している。開幕から大谷翔平投手とバッテリーを組んできた期待の若手で、日本のファンからも落胆の声が上がった。関節唇損傷と回復までのプロセスについて、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
オホッピーは手術で全治4~6か月の見込み
米大リーグ・エンゼルスのローガン・オホッピー捕手が左肩関節唇(かんせつしん)の損傷で手術を受けると球団が発表した。全治4~6か月の見込みで、今季絶望の可能性も浮上している。開幕から大谷翔平投手とバッテリーを組んできた期待の若手で、日本のファンからも落胆の声が上がった。関節唇損傷と回復までのプロセスについて、トップアスリートの専属トレーナーを務める芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。
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野球選手の投球に関して、特に大事な肩ですが、肩甲骨(お皿)と上腕骨(球)で構成される関節です。お皿のような肩甲骨に、球のような形状の上腕骨の先端が寄り添っているだけで、関節の周囲は筋肉や靭帯などで補強されているのです。
関節唇とは、そのつなぎ目に存在する軟骨状の組織です。肩の関節は可動域が広く、よく動く一方で、非常に不安定な状態ともいえます。
今回、オホッピー選手が痛めてしまった関節唇ですが、肩関節の安定性を高める役割を果たしており、上腕骨(球)が肩甲骨(お皿)の上でしっかりと動くように機能しています。
関節唇は柔らかく弾力性がありますが、投球などの行為によって繰り返し負荷がかかったり、脱臼などで強い負荷がかかった場合に断裂してしまうケースがあります。
球技で言えば、野球やバレーボール、体操など腕を上げる動作の多い競技のほか、ラグビーやサッカーなコンタクトで肩の脱臼に伴い損傷するケースが多いです。野球のポジションで考えると、一般的にピッチャーが最も故障するケースが目立ちます。
今回は、バッティング動作で強い痛みを訴えたようですが、実際のシーンを見ると特にフォロースルーの際に、バットの遠心力で肩が過度に捻れているようにも見えます。背中までバットは回っています。以前の打席でも肩を痛めたシーンもありましたし、繰り返し関節唇に多大なストレスがかかり、負傷した可能性もあります。
一般的には、内視鏡手術で損傷した部分をつなぎ合わせて修復します。そこから、程なくリハビリで機能を回復しながら、筋力強化を図り、段階的に競技復帰を目指します。
ネビン監督は全治4~6か月と明かしたと報じられています。これは関節唇損傷時の一般的な回復期間になります。今季攻守に渡る大活躍を見せていたオホッピー選手だけに、無事にリハビリを乗り越えて、一刻も早い復帰を祈っています。
(THE ANSWER編集部)