フィギュアの「6分間練習」は何が大切? 選手がぶつからない「暗黙のルール」も存在
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や恩師の知られざるストーリーや意外と知らない競技の知識など、五輪に新たな“見方”を届ける特集「オリンピックのミカタ」を展開。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアスケートを好きな人はもっと好きに、知らない人は初めて好きになる17日間」をテーマに連日記事を配信し、競技の“今”を伝え、“これから”を考える。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#40 中野友加里が答える「17のギモン」6問目
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や恩師の知られざるストーリーや意外と知らない競技の知識など、五輪に新たな“見方”を届ける特集「オリンピックのミカタ」を展開。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアスケートを好きな人はもっと好きに、知らない人は初めて好きになる17日間」をテーマに連日記事を配信し、競技の“今”を伝え、“これから”を考える。
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元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な17のギモンに答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。6問目は「6分間練習って何してる?」。
◇ ◇ ◇
各グループで演技前に行われる「6分間練習」。文字通りに6分間リンクで滑り、調整を図るもの。中継にも映し出されるが、選手はどんな意識を持ち、何に気を配って挑んでいるか。
中野さんが語る。
「あくまで最終確認。あまり勢いを込めて練習しないこと。これを終えたら何もできない“最後の砦”ですが、そこで調子を崩すことはしない方がいい。今までやってきたことを確認しながら、体を温める場。私はスケーティングから始め、1、2、3回転と回転数を増やし、3回転の複数の種類を練習していく流れ。良いジャンプが一度跳べた段階でやめて、良いイメージで本番に繋げられるように意識していました」
大切なのは「焦らないこと」。中野さんはバンクーバー五輪代表選考を兼ねた2009年全日本選手権フリーの6分間練習は良いイメージが掴めず、1番滑走でそのまま演技に突入。ミスが出て、0.17点差で代表を逃した。
「それくらいメンタル面で重要な時間。一方で、6分間は見ている方は少し長いと感じるかもしれませんが、実は選手にとっては本当にあっという間。動き続けないと、どんどん時間は過ぎていくのでノンストップです。ひょっとしたらカメラには水を飲んだり、鼻をかんだりするシーンが映るかもしれませんが、本当に一瞬。どんどん次の動作を確認していく。とはいえ焦ってはいけない6分間です」