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フィギュア滑走順、グループ1番目と6番目どっちが有利? 意外と「3番目」が難しいワケ

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や恩師の知られざるストーリーや意外と知らない競技の知識など、五輪に新たな“見方”を届ける特集「オリンピックのミカタ」を展開。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアスケートを好きな人はもっと好きに、知らない人は初めて好きになる17日間」をテーマに連日記事を配信し、競技の“今”を伝え、“これから”を考える。

元フィギュアスケート日本代表の中野友加里さんが滑走順について解説【写真:荒川祐史】
元フィギュアスケート日本代表の中野友加里さんが滑走順について解説【写真:荒川祐史】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#26 中野友加里が答える「17のギモン」4問目

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や恩師の知られざるストーリーや意外と知らない競技の知識など、五輪に新たな“見方”を届ける特集「オリンピックのミカタ」を展開。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアスケートを好きな人はもっと好きに、知らない人は初めて好きになる17日間」をテーマに連日記事を配信し、競技の“今”を伝え、“これから”を考える。

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 元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんは、ビギナーファン向けに競技にまつわる素朴な17のギモンに答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。4問目は「フィギュアスケートは組の1番目と6番目どっちが有利?」。

 ◇ ◇ ◇

 滑る順番も勝負を左右するフィギュアスケート。一般的に、ショートプログラム(SP)は大会前の抽選で滑走順が決まる。

 1組6人で行われることが多く、組ごとに6分間練習と呼ばれる調整を行った後で演技に移る。組の1番滑走はそのまま演技に入り、フリーになると6番滑走は30分以上待つこともある。選手にも好きな順番が多く、それぞれにメリットやデメリットがある。

「あくまで、私の個人的な意見ですが」と前置きした上で、中野さんがそれぞれを解説する。まずは1番目。

「6分間練習の直後なので、一番体が温まった状態で滑ることができます。半面、演技開始までに息を整える必要があり、フリーなら4分という長い時間を滑るスタミナを残しておかなければいけない。6分間をフルに練習してしまうと、体力が持たないので、使えるのは実質5分程度。残り1分は強度を落とし、リンク上での確認時間が減ってしまう欠点もあります」

「最も滑りやすかった」と中野さんが言うのが、2番目だ。

「2番目は6分間、フルに練習できる上に1番目の選手が滑っている間に呼吸を整えることができます。控え室に戻る時間はないので、リンク近くで表から見えないバックヤードで上着を着て、少しだけ動きます。なおかつ、スケート靴を一度脱がなくてもいいというのも利点です」

 3番目になると、この“スケート靴の着脱”の判断が難しい。

「私にとって最も微妙な順番でした。スケート靴を履いていると、だんだんと足が固まり、靴紐もきつく締めているので、血流も悪くなってしまう。そう考えると一度脱いだ方がいいのですが、靴を脱いだ分、バックヤードで椅子に座って動かずにいると体が冷えてしまう。もう一度アップするには時間が足りない。私は思い切って靴を脱ぐ派でしたが、選手によってさまざま。3番目はやりくりが最も難しかったです」

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中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

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