フィギュアスケートの審判は何を見てる? 意外と知らない「ジャッジ」の仕事とは
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や恩師の知られざるストーリーや意外と知らない競技の知識など、五輪に新たな“見方”を届ける特集「オリンピックのミカタ」を展開。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアスケートを好きな人はもっと好きに、知らない人は初めて好きになる17日間」をテーマに連日記事を配信し、競技の“今”を伝え、“これから”を考える。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#20 中野友加里が答える「17のギモン」3問目
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や恩師の知られざるストーリーや意外と知らない競技の知識など、五輪に新たな“見方”を届ける特集「オリンピックのミカタ」を展開。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアスケートを好きな人はもっと好きに、知らない人は初めて好きになる17日間」をテーマに連日記事を配信し、競技の“今”を伝え、“これから”を考える。
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元フィギュアスケート日本代表で「THE ANSWERスペシャリスト」を務める中野友加里さんはビギナーファン向けに、競技にまつわる素朴な17のギモンに答えるミニコラムを大会期間中、毎日掲載。3問目は「審判員はどんな仕事をしてる?」。
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採点競技であるフィギュアスケート。得点はジャンプ・スピン・ステップの3つの技に応じた「技術点」、スケーティング技術・トランジション・パフォーマンス・構成・音楽の解釈の5項目を評価する「演技構成点」の2つの要素を加算して決まる。
その要素を採点するのが審判員であるが、彼らの仕事ぶりが伝わることは少ない。自身も審判員の資格を持つ中野さんは「一般的に『ジャッジ』と呼ばれ、3種類の審判員がいます」と解説する。
「まずは競技会と審判団を統括するイベントレフェリーが1人います。そして3人いる技術審判。テクニカル・スペシャリスト、テクニカル・コントローラー、アシスタント・テクニカル・スペシャリストと呼ばれ、選手が実行したジャンプやスピンなどの要素の種類やレベル(4段階)を判定し、コールする審判員です。回転不足や違反要素などの判定で注目されますが、GOEと呼ばれる出来栄え点や演技構成点はつけません。
そして、もう一つが演技審判。最大9人がいます。技術審判が評価しないGOEをプラス・マイナス5点で評価し演技構成点の5項目それぞれを10点満点でつけていく。また、点数とは直接かかわりはありませんが、データ・オペレーター、リプレイ・オペレーターの記録と録画を担当する方が2人。基本的にはコールする技術役員の隣に座っています」
審判席にはメモとペンを用意して座る。タッチパネルも設置されているが、演技中は極力見ない。
「私が審判員にまだなったばかりの頃、いかなる場合も可能な限り選手から目を離さないとアドバイスされました。実施された要素の出来栄えは手元を見ずに書いているので文字は汚く、自分しか読めないくらいです。パネルをしっかり見るのは、実行された要素を確認する演技後。目を離した隙に次の要素が行われる可能性があるので、演技中はモニターを見ないでリンクにいる選手に集中します」