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現代野球の進化を証明した侍ジャパン投手陣 子供たちは「手段より思考」を学ぶべき理由

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は投手の“球”を独自の「ミカタ」で解説する。

最後の打者を抑え、甲斐拓也と優勝を喜ぶ栗林良吏(右)【写真:Getty Images】
最後の打者を抑え、甲斐拓也と優勝を喜ぶ栗林良吏(右)【写真:Getty Images】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#89

「THE ANSWER」は東京五輪の大会期間中「オリンピックのミカタ」と題し、実施される競技の新たな知識・視点のほか、平和・人権・多様性など五輪を通して得られる様々な“見方”を随時発信する。多くのプロ野球選手も加入するパフォーマンスオンラインサロン「NEOREBASE」主宰、ピッチングストラテジストの内田聖人氏は投手の“球”を独自の「ミカタ」で解説する。

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 7日に行われた決勝で日本は米国を2-0で下し、悲願の金メダルを獲得した。開幕投手を務めた22歳・山本由伸投手(オリックス)ら、若い投手の活躍が光った今大会。決勝は23歳・森下暢仁投手(広島)が先発し、守護神の25歳・栗林良吏投手(広島)まで4投手が完封リレーだった。最終回は大会を総括し、現代野球の進化を分析した。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

 完封リレーで金メダルを獲得した日本。その結果が素晴らしかったです。最後は、今の野球界の投手全体について考えてみたいと思います。

 最近の大きな変化は「パワー系の変化球投手」が増え、トレンドになっていること。150キロ以上のストレートを投げ、球が強く、変化球も優秀。その代表はダルビッシュ有投手(パドレス)であり、影響は日本にも大きいと感じています。

 日本のどの投手も、そのタイプに当てはまっていました。若い投手なら山本由伸投手(オリックス)、森下暢仁投手(広島)、伊藤大海投手(日本ハム)に栗林良吏投手(広島)ら。決勝で投げた千賀滉大投手(ソフトバンク)もそのタイプです。

 右上投げの投手なら、(1)自由落下に対して上方向のストレート、(2)左方向にスライドしながら落ちる、(3)下方向か、やや右にシュートしながら落ちる――同じ軌道から3方向に変化する球。スパイスとして大きく強く曲がるパワーカーブ系の球もあると打者は絞りづらくなります。

 この考えは「NEOREBASE」のオンラインサロンメンバーのお股ニキ氏が、以前から強く言っています。山本投手なら、150キロ後半のストレート、カット系のスライダーに大きなパワーカーブ、そしてフォークです。

 そういう投手が今、日本でも活躍しています。五輪のような短期決戦も強いですし、レギュラーシーズンも有利。メジャーリーグもそういう選手が多く、日米に限らず、活躍している選手に多くみられる特徴です。

 日本の象徴は山本投手でしょうか。持っているスペックがすべて高い。前述の3方向の球種ともに質が高く、現代野球の良い所どりをした投手であり、一番のお手本です。今の若手投手では、頭ひとつ抜けた存在になりつつある印象です。

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