日本、2-1逃げ切りの裏に見たあの日の教訓 松井大輔「ロシアW杯の逆転負け生かされた」
フランス戦は決勝ラウンドを見据えたマネジメントが必要
それから1トップの林大地選手の頑張りも称えたい。ここまで得点こそないものの、常にフルパワーでプレーすることで日本に活力をもたらしています。具体的には、オフサイドになったとしても何度も相手の背後を狙ってランキングを繰り返し、DFを背負った状態でも味方にボールをしっかりつなげる。さらに自陣まで戻って守備も頑張るのだから頭が下がります。
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現在、日本代表の最前線には大迫勇也選手が君臨していますが、それに続くFWがなかなか現れません。この五輪で評価を高めている林選手はいずれ海外でプレーするチャンスも出てくるでしょうし、日本代表でもチャンスがあるかもしれない。だからこそ、まず1点取ってほしい。FWが得点してチームが勝つのは理想で、サッカーの王道。それができればチームの士気はさらに上がっていきます。
連勝したことで決勝トーナメント進出に大きく近づきました。3戦目のフランス戦は勝利を目指すのは当然のこと、ベスト8に進出してからの戦いを見据えたマネジメントが必要になります。
個人的には何人かの選手を入れ替える気がしていますが、それが1、2人なのか、それとも3~4人なのか。チーム力を落とさずに戦える選手層があるのならば疲労を考慮し、できる限りターンオーバーすべきだと思います。選手としては試合に出たい気持ちがあっても疲れは見えないところに蓄積するもの。次のラウンドに向けてケガやパフォーマンスの低下を未然に防ぎ、ここまであまり出場機会に恵まれていない選手のモチベーションが上がるような采配がベストです。
少し気が早いかもしれませんが、メダル獲得も十分に期待できるはず。最近だとロンドン五輪が4位という結果でメダルにあと一歩届きませんでしたが、当時よりも日本サッカーは個人も組織も明らかに成長しています。あとは他国の本気度との兼ね合いですが、今大会でのメダル獲得は夢物語ではなく現実的な目標と言っていい。
僕が大好きな柔道では早くもメダルラッシュで盛り上がっていますし、阿部一二三選手と阿部詩選手の兄妹が同じ日に金メダルを獲得するという歴史的偉業を成し遂げました。金メダル獲得のニュースはみんなが元気になるし、日本全体が明るくなります。
男子サッカーもメキシコ五輪以来のメダル獲得を成し遂げ、日本国民に喜びと感動をもたらしてほしい。
(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)