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アメリカ米「カルローズ」はアスリート食に相性抜群 多忙な選手に嬉しいレシピを公開

スポーツ先進国アメリカのトップアスリートの間でも、ご飯は人気の「勝負飯」。アメリカのアスリートは何故、お米料理を好むのか。アメリカオリンピック・パラリンピック委員会のシニアスポーツ栄養士、ヌワニー・ジャヤラットさんのインタビューを前後編にわたりお届けする。

アメリカオリンピック・パラリンピック委員会シニアスポーツ栄養士、ヌワニー・ジャヤラットさんインタビュー 後編

 スポーツ先進国アメリカのトップアスリートの間でも、ご飯は人気の「勝負飯」。アメリカのアスリートは何故、お米料理を好むのか。アメリカオリンピック・パラリンピック委員会のシニアスポーツ栄養士、ヌワニー・ジャヤラットさんのインタビューを前後編にわたりお届けする。

 後編は炭水化物の摂り方と、アメリカ米『カルローズ』を使ったアスリート・レシピについて。

(前編はこちら)米国のアスリートもコメ料理は「勝負飯」 スポーツ大国でも好まれる栄養学的な理由

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 アメリカではトップアスリートに対し、炭水化物の必要量と摂取量がマッチングするよう、「考えて食べる」指導に力を入れています。ですから、ナショナルチームの選手たちは、運動の強度が高い日や練習量の多い日は炭水化物の摂取量を増やし、オフや技術練習中心の強度の低い日は減らす、というように、炭水化物を計画的に摂るよう徹底しています。

 私がサポートする競技の一つ、レスリングの合宿では、3段階のトレーニング強度に合わせて、エネルギーと必要な栄養素の組み合わせを変えます。一つ目が運動強度が高いもしくは時間が長い「ハードデイ」。次は強度や時間が中程度の「モデレートデイ」。三つ目はオフの日、リカバリーの日、スキル練習が中心の「イージーデイ」です。

 お米をしっかり摂りたいのは、ハードデイの前夜から当日です。前日の夕食は、次の日に備えるため、米料理を用意することが多いです。そして当日はランチにも、米料理をよく出します。ハードデイは午前・午後の2部練になることが多いので、ランチは午前の栄養リカバリーと、午後の準備の意味があります。

 加えて、体重階級制のレスリングの場合、食事は「体重コントロール」という、競技にとってとても重要な仕事に直結します。

 レスリングは16年リオ五輪までは前日計量でした。当時は計量までは体を絞り、計量後から試合まではたくさん食べて、エネルギーを蓄えることが出来ました。しかし、当日計量の今は、試合開始まで2時間程度しかありません。計量後から試合までエネルギーを蓄えられる時間は限られており、私たち栄養士も選手が過度な減量を行わないよう、気を付けています。

 今は「体重階級制の選手は減量が必要=食べない」という時代ではありません。過度の減量で食べない日が続くと、競技パフォーマンスへネガティブに働いてしまいます。運動量や運動強度に合わせてご飯の量、炭水化物の量を調整し、燃料補給をしっかり行いながら、トレーニングできる体を作り、無理なく減量をしている選手達が、成果をあげています。今では、未来の代表チームを担うジュニア世代から、「計画的に食べてトレーニングをする」という教育に力を入れています。

アメリカでトップアスリートに栄養教育をするヌワニー・ジャヤラットさん
アメリカでトップアスリートに栄養教育をするヌワニー・ジャヤラットさん

 特に若い選手は計量をパスすることにフォーカスしがちですが、適切量を食べているからこそ激しいトレーニングでも体が疲れにくく、練習・トレーニングの質も上がります。実際、日ごろからしっかり食べ、無理なく計画的に減量、体重コントロールをしている選手が、大会でもメダルを獲るようになりました。

 さて、選手をサポートされているご家族の方から、「何品も食事を作っている時間がない」との声がよく届きます。アスリート自身もトレーニングから疲れて帰ってきた後、手間のかかる食事は作りたくありません。

 その点、パパっと簡単にできる料理を覚えておくと、疲れた日でもバランスよく食べることができ、コンディション作りにもプラスです。
そこで、おすすめしたいのが、調理が簡単で、かつ美味しく、ご飯もおかずもバランスよく一皿で摂れる、丼ものやワンプレートの献立です。

 世界選手権を控える代表チームの合宿でアメリカ米の『カルローズ』の食事を提供しましたが、『カルローズ』はライスボウル(丼もの)やワンプレート料理との相性がとてもよいお米で、選手達も喜んで食べていました。ふわっと軽く炊き上がるので、ご飯にハーブやスパイスを混ぜたり、炒めたりしても、団子にならず調理しやすく、また、具材やソースと絡まりやすいので、混ぜながら食べる料理にぴったりだと思います。

 最後に、『カルローズ』を使ったワンプレートレシピを紹介します。アスリートの食事は、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン・ミネラルのバランスが重要。アスリートだけでなく、成長期の子どもから健康の気になる大人まで、家族みんなにおすすめです」

【こちらもオススメ】アメリカ米「カルローズ」を使った簡単レシピを紹介 「カルローズ米×スポーツ」特設ページをチェック

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 ヌワニー・ジャヤラットさんがレスリングアメリカ代表の合宿で提供した、アスリート食のレシピを公開。エネルギー源となる米は、アメリカ・カリフォルニア州生まれの『カルローズ』を使用しました。

「主食は米。ハードなトレーニングに耐えられるパワーとスタミナの源、糖質(炭水化物)を米から補給することは、競技力向上の鍵となります。

 鶏むね肉は高たんぱく質+低脂肪と、アスリートには嬉しい栄養プロファイルを持つ食材の一つ。たんぱく質は筋肉合成や骨格形成に必要な栄養素。1日を通し、食事と補食(間食)から必要量を摂取するのがポイントです。

 また、緑黄色野菜からはビタミンA,C,Eを含む、様々な抗酸化物質が摂れます。日々のハードな運動によって発生する活性酸素が増えると、体内の酸化ストレスも高まり、細胞のダメージや疲労、免疫力低下に繋がります。抗酸化成分は、リカバリー(疲労回復)や免疫力向上など、体のコンディショニングに効果的。色々な色の野菜を組み合わせると、体への働きの異なる何種類もの抗酸化成分を摂ることができます」

★『カルローズ』米レシピ【鶏のケバブとターメリックピラフ】

「選手からのリクエストが多いレシピ。ベタつかず、ふんわり軽い食感の『カルローズ』はピラフにもぴったり。冷やご飯でも作れます。

 ライスに加えたターメリックは、アメリカのアスリートが好んで使うスパイスの一つ。ターメリックに含まれる抗酸化物質の『クルクミン』には抗炎症作用があり、筋疲労回復に有効的との報告もあり、スポーツ栄養で注目されています。トマトは火を入れると、抗酸化成分のリコピンが体に吸収されやすくなります。減量時は一人前を半合+カリフラワー倍量で作り、糖質量とカロリーを調整しましょう」(ヌワニー・ジャヤラットさん)

⇒「鶏のケバブとターメリックピラフ」の詳しいレシピを見る(PDF)

★『カルローズ』米レシピ【鶏のTERIYAKIブッダ風ボウル】

「『カルローズ』は茹でて時短調理。忙しいアスリートやサポートする家族に嬉しいレシピです。『カルローズ』のサラッとした食感、冷めても美味しいという特徴はサラダ風の献立にも最適。

 この料理を出すときは、野菜をビュッフェスタイルで食卓に出し、選手が各自でトッピングしています。皆、『インスタ映えするように!』と楽しみながら盛り付けています。

 野菜はレシピで紹介した食材に限らず、ご自宅にあるものを使ってOK。ポイントは、色とりどりの野菜を用意すること。このレシピでも赤、緑、紫の野菜を使っていますが、にんじんからβ-カロテン(ビタミンA)、アボカドからはビタミンE、紫キャベツや赤ビーツのアントシアニン(ポリフェノールの一種)、ケールやサラダ菜のルテイン(カロテノイドの一種)と、多種類の抗酸化成分が摂れます。

 また、赤ビーツはスポーツ栄養界で注目されている食材の一つ。赤ビーツに含まれる硝酸塩は、体内で一酸化窒素になり、血管拡張、血流促進作用から体内の酸素供給の効率が上がり、競技力向上の可能性が報告されています」(ヌワニー・ジャヤラットさん)

⇒「鶏のTERIYAKIブッダ風ボウル」の詳しいレシピを見る(PDF)

 炊いても茹でても炒めてもおいしい、注目のアメリカ米『カルローズ』は軽い食感とアルデンテとも言える歯ごたえが特長。調味料やドレッシング、オイルとの相性がよく、アジア料理から地中海料理、西欧料理まで、幅広い料理にぴったり。

■ヌワニー・ジャヤラット
大阪府出身。高校卒業後、渡米。カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、米国登録栄養士(RD)となる。コロラド州立大学コロラドスプリングス校で修士号修得後、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)で勤務。2018年にネブラスカ州立大学へ移り、D1大学チームの栄養管理を行う。21年の東京五輪ではチームUSAに帯同。22年1月よりUSOPCでシニアスポーツ栄養士に着任。現在、アクロバット、コンバットスポーツ担当として、レスリング、柔道、テコンドー、器械体操代表チームなどの栄養サポートを行う。

(THE ANSWER編集部)