松元克央、快挙を支えた3つの理由とは 厳しい名伯楽が語る「頂点カツオ」への課題
東京五輪金メダルにはラストスパート必須「じゃないと世界で勝負にならない」
来年の東京五輪へ期待の膨らむ好レース。世界の頂点まで上り詰めるには何が必要なのか。鈴木コーチは言う。
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「本当は100メートルから150メートルで、まだもうちょっと(ペースを)上げた方が勝負になる。でも、まだそういうトレーニングをしてきていない。ここを0秒5くらい上げられれば十分勝負になる。いつも150メートルまでは割りと落ち着いてきたので、ラストスパートはかけられるかなという風には見てます」
世界の猛者が集まる群雄割拠の自由形。幾度も五輪の大舞台を見てきた同コーチは「たぶん来年はこういう(トップの)選手たちが絶対に落ちてこないと思う。そうするともっとレベルが高くなる。スピードもつけていかないと」と予想する。日本の歴史を変えたカツオが金メダル争いで優位に立つには、終盤に入るまでの力をいかに上げておくかが大事だという。
「やっぱりラストスパートが利くような選手じゃないと、世界に行ったら勝負にならない。100メートルから150メートルのところで溜めておいたら出る。そこはちゃんと練習させてきているので、あとは前半のスピードをいかにつけておくかというところ。そうすれば、金メダル争いができると思う。(東京五輪では)当然1分44秒5くらいは目指していかないと。いずれにしても44秒台までは来ないと来年のメダルはないと思いますね」
松元は「来年は金メダルを獲って鈴木先生を心の底から喜ばせたい」と息巻く。厳しくも、大切に育ててきた生きのいいカツオ。世界水泳で光らせた教え子の成長に、師匠も腕を鳴らす。「一番、速い種目でメダルを獲る、または金を目指すというのは、非常に面白いですね」。五輪開幕まで24日でちょうど1年。東京のレース後に“最高のまぁまぁ”が聞けるかもしれない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)