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“ヤンチャ坊主”が競泳界の有名人へ 19歳・吉田啓祐が農家を継ぐ前にすべきこと

五輪を超える規模で2年に1度行われる水泳の“世界一決定戦”、世界水泳(テレビ朝日系で独占中継)が7月12日に開幕した。なかでも、注目を集めるのは競泳だ。

男子800メートルリレーに出場する吉田啓祐【写真:Getty Images】
男子800メートルリレーに出場する吉田啓祐【写真:Getty Images】

「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと2日―男子800mリレー吉田啓祐

 五輪を超える規模で2年に1度行われる水泳の“世界一決定戦”、世界水泳(テレビ朝日系で独占中継)が7月12日に開幕した。なかでも、注目を集めるのは競泳だ。金メダルを獲得すれば、1年後の東京五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」は競泳開幕の30日前からカウントダウン連載を行い、出場25選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。開幕まであと2日の第29回は、男子800メートルリレーの吉田啓祐(日大)が登場する。



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 182センチの体と、負けん気に無限の可能性を感じさせる。19歳の吉田は5月のジャパンオープンで800メートルリレーのメンバー入りを射止めた。初代表について問われ、「嬉しいです」と表情を綻ばせたのは一瞬。「今まで目指してきたところだけど、これからがスタート。ずっと日本代表になってチームを引っ張っていける存在になりたい」と息巻いた。

 その名を轟かせたのは、昨年11月の北島康介杯だった。400メートル自由形で日本のエース・萩野公介に競り勝ち、一躍、脚光を浴びた。その前月のユース五輪の自由形400メートルで銅メダル、800メートルで銀メダルを獲得するなど、素質は開花。「東京五輪の新星」として順調にステップアップしている。ただ、そのキャリアを辿ると、もともとは“ヤンチャ少年”だった。

 地元・佐賀で4歳から「風邪予防のため」に始めた水泳。最初は遊び感覚だった。小学校時代はサッカー、陸上もやり、中学時代は「水泳はそんなに真面目にやってなかった」。一緒にやってきたコーチが途中で辞めて目標を失い、練習を休むこともしばしば。「今までやってきたものが一度ゼロになった。モチベーションは全くなかったです」と振り返る。

 水泳の練習はおろか、学校の授業すらサボってしまったことがある。そんな男を変えたのは、恩師との出会いだ。東京の日大豊山の竹村知洋監督から熱心に勧誘を受けた。吉田の実家は農家、将来、家業を継がなければならず、本人も「まったく行く気はなかった」と最初は断った。しかし、次第に気持ちが変わっていった経緯が、なんともユニークだった。

「当時は日本代表になりたいとかはなく、将来、東京に出てテレビ番組とかバラエティとかに出たいという思いはあった。親も東京に行きたいことは知っていて、『ダメだ、農家を継がないといけない』と言われていた。でも、最終的に『そんなに行きたいなら今のうち、東京に行ってこい』と言ってくれた」

 東京で一旗揚げ、大都会で有名になるという大志を抱いて上京。すると、竹村監督の熱心な教えで、スイマーとしての自覚が芽生えた。もともと、気持ちの浮き沈みが激しいタイプ。調子を落として「水泳、辞めたい」と思っていると、恩師は「ここから這い上がれば凄い選手になるのに弱い選手はお前みたいにずっとそのままだ」と叱咤され、少しずつ水泳に本気になっていった。

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