競泳は「個人競技」じゃない 寺川綾がキャプテン2人に“結果”を期待する理由
200&400m個人メドレーで優勝狙う大橋は「世界水泳で結果を出し、五輪に繋げたい気持ちは女子で一番」
究極のポジティブさを持つ瀬戸と並び、女子キャプテンを務める大橋の明るさも際立つ。大ファンでもある欅坂46の曲に合わせて歌って踊る姿は、すっかりおなじみ。寺川さんは「あれは素。常に歌って踊ってます」と笑うが、その目に両者の明るさは「タイプが違う」と映っているようだ。
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「2人とも明るいですけど、タイプは違うと思います。大橋さんは自ら元気に振る舞って、それを力に変えようというタイプ。多分、キャプテンという役割も、あえて先生(コーチ)たちが与えたんじゃないかと思うんです。キャプテンは男女合わせて1人でも成り立つけど、わざと責任感を与えて自覚を持たせている感じがしますね。それに対して、本人もしっかり応えようと頑張っています」
日本代表の平井伯昌ヘッドコーチらが、なぜ大橋にリーダーとしての自覚を持たせようとしたのか。それはブダペストで開催された2017年大会と置かれた立場が変わったことも影響しているようだ。前回大会では200メートル個人メドレーで2分7秒91の日本新記録を出して銀メダルを獲得。これが大橋にとって世界水泳初メダルとなった。この2年でさらなる成長を遂げ、今大会では200メートルと400メートルの個人メドレーでメダルを狙う。
「前回大会はメダリストとしての実績を何も持たない挑戦者として臨む世界水泳でした。でも、今回は銀メダリストとして臨む大会。銀メダルの次は金メダル、と狙っていけるし、そこにチャレンジできるだけの実力があることは本人も分かっていると思います。あのすごく滑らかな泳ぎは、真似しようと思っても真似できないことですし。
あと『女子のエースとして、自分がやらなくちゃいけない』って、メチャクチャ思っているんですよね。その気持ちが上手く結果に繋がったり繋がらなかったりを、ここまで繰り返している。だからこそ、この世界水泳できっちり結果を出して、次のオリンピックに繋げたいという気持ちは、女子の中で一番持っていると思います。それだけの練習は積んでいるし、素材もありますから期待したいですね」
自分のためにも、そしてチームのためにも、求められる結果。大きな期待を後押しにして、瀬戸、大橋の両キャプテンは必ずやトビウオジャパンを勢いづかせてくれるだろう。
(明日30日の第10回は特別企画の寺川綾さん後編)
◆世界水泳、テレビ朝日系で連日中継 7月21日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波、AbemaTVで最終日まで8夜連続放送。予選はBS朝日、AbemaTVで放送する。
(THE ANSWER編集部)