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「今から2バタやるんか…」 決勝待機中まで悩んだ本多灯、手にしたのは銅メダル以上の経験【世界水泳】

世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)は26日、競泳の男子200メートルバタフライ決勝が行われ、同種目の東京五輪銀メダリスト・本多灯(ともる、イトマン東京)が1分53秒66で銅メダルを獲得した。競泳開幕の23日には400メートル個人メドレーで予選敗退。不安や重圧にレース前から押しつぶされそうになりながら、今大会の競泳ニッポン2つ目のメダルを手にした。「世界水泳をやり切れた。変わらず僕に期待してもらえれば」と充実感を漂わせた。

男子200メートルバタフライで銅メダルを獲得した本多灯【写真:ロイター】
男子200メートルバタフライで銅メダルを獲得した本多灯【写真:ロイター】

世界水泳福岡・競泳

 世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)は26日、競泳の男子200メートルバタフライ決勝が行われ、同種目の東京五輪銀メダリスト・本多灯(ともる、イトマン東京)が1分53秒66で銅メダルを獲得した。競泳開幕の23日には400メートル個人メドレーで予選敗退。不安や重圧にレース前から押しつぶされそうになりながら、今大会の競泳ニッポン2つ目のメダルを手にした。「世界水泳をやり切れた。変わらず僕に期待してもらえれば」と充実感を漂わせた。



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 レース前、待機中の本多は不安に苛まれていた。「今から2バタ(200メートルバタフライ)やるんか……」。悩み、プレッシャーに押しつぶされそうになる。でも、結局はメダルへの強い気持ちが打ち勝った。

 地元開催の世界大会。名前をコールされて入場すると、大歓声が起きる。「ここまで来たら、やるしかない。福岡、頼むわー。俺も頼むわー」。願いをもって勢いよく飛び出すと、最初の50メートルは25秒28の3番手で折り返す。100メートルで4番手に下がるも、ここから追い上げ。150メートル時点で2番手に浮上すると、最後はゴール前大接戦で1つ順位を落としながらも見事に銅メダルのタッチを決めた。

「メダル獲れたことは本当に嬉しい。その一言に尽きる。金メダルを取りたい、世界一になりたいという思いはブレなかった。世界水泳をやり切れたと思う。プレッシャーを押しのけての3番。変わらず僕に期待してくれると嬉しい」

 競泳開幕の23日、怪物レオン・マルシャン(フランス)がマイケル・フェルプス(米国)の世界記録を15年ぶりに破った400メートル個人メドレーで、本多は全体14位の予選敗退だった。「自分が勝手に重圧をかけた。楽しめる方が僕らしい。まだまだ幼いというか、学生らしかった」。まだ21歳の大学生。プレッシャーの中で掴んだ銅メダルは、その色以上の経験になった。

 目標の五輪金メダルを獲るにはマルシャンのほか、この種目の世界記録保持者クリストフ・ミラーク(ハンガリー)ら強力なライバルを打ち破らなければならない。「初日にうまくいかずにここまで持ってこられた。本当に今年が五輪じゃなくてよかったと、そういう方向でとらえて来年に向かっていければ」。取材を終えた本多の顔は、持ち前の明るさを取り戻していた。

(THE ANSWER編集部)

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