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18歳北島康介が世界に食らいついた熱い夏 22年ぶり日本開催、世界水泳の記憶は今なお新鮮なまま

競泳のアテネ五輪、北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠を達成した北島康介氏が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、7月に行われる世界水泳について語った。22年ぶりに日本開催となる世界一決戦。北島氏は2001年大会に出場した当時の記憶を明かすとともに「水泳」という競技の魅力を語った。(取材・文=二宮 寿朗)

「THE ANSWER」のインタビューに応じた北島康介氏【写真:荒川祐史】
「THE ANSWER」のインタビューに応じた北島康介氏【写真:荒川祐史】

7月に22年ぶりに日本で行われる世界水泳の記憶

 競泳のアテネ五輪、北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠を達成した北島康介氏が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、7月に行われる世界水泳について語った。22年ぶりに日本開催となる世界一決戦。北島氏は2001年大会に出場した当時の記憶を明かすとともに「水泳」という競技の魅力を語った。(取材・文=二宮 寿朗)

【前編】必死の努力を重ねながらも忘れなかった原点「やっぱり好きで始めた」 / 競泳 北島康介氏インタビュー(GROWINGへ)

【後編】“生涯スポーツ”水泳の魅力を再認識 貴重な経験を社会の未来へ還元 / 競泳 北島康介氏インタビュー(GROWINGへ)

 ◇ ◇ ◇

 北島康介氏が世界で初めてメダルを手にした舞台こそが「世界水泳」である。

 高校3年時に初出場した2000年のシドニー五輪では男子100メートル平泳ぎで4位入賞を果たしたものの、表彰台には届かなかった。それから10か月後、日体大1年生となっていた彼はひと回りたくましくなって福岡でアジア初開催となった世界水泳に臨んだ。

 男子200メートル平泳ぎ決勝。

 ブレンダン・ハンセンが速いペースで引っ張っていくなか、食らいつく北島氏は終盤にグイグイと追い上げる。大会新を叩き出したハンセンに0秒52差の3位でフィニッシュ。黒いキャップの18歳は水面を叩くように、小さくも力強いガッツポーズで喜びを表現した。日本の男子平泳ぎでは26年ぶりのメダルであった。

「あのときの会場の熱気というものは今も覚えています。本当に凄かったので。シドニーは初めてのオリンピックでしたからよく分からないまま終わってしまった感がありました。でも福岡の世界水泳はワクワクもしたし、ドキドキもした。ちょっと浮き足立ったところはあったかもしれないですけど、世界でメダルが取れた思い出の大会になりました」

 22年前の記憶は、今もなお新鮮なままだ。

 ワクワクとドキドキ。

 実はこれが本番に強い北島氏の原動力だと言っていい。

「僕自身、大会をあんまり比べるということをしないんです。東京都の大会でも関東の大会でも、それが(日本や世界に)広がっていっても、そのときの自分の120%の力を出せるかどうかが僕にとっては凄く大事。一生懸命に練習をやってきて、その積み重ねがすごく自信のあるものだったら、コース台に上がったときの高揚感って基本的にはどの大会でも同じなんです。僕はよく言うんですけど、小学校のときの運動会が楽しみで仕方がないみたいな、そういう気持ちなんです」

 積み重ねなくしてこの心境には至らない。やるべきことを全部やってきたと思えるから、余計な不安や緊張よりもワクワクとドキドキが上回る。どんな大会であろうとも変わらない姿勢だから、大会の大小関係なく120%の力を出せるというわけだ。

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二宮 寿朗

1972年生まれ、愛媛県出身。日本大学法学部卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2006年に退社後、「Number」編集部を経て独立した。サッカーをはじめ格闘技やボクシング、ラグビーなどを追い、インタビューでは取材対象者と信頼関係を築きながら内面に鋭く迫る。著書に『松田直樹を忘れない』(三栄書房)、『中村俊輔 サッカー覚書』(文藝春秋、共著)、『鉄人の思考法~1980年生まれ戦い続けるアスリート』(集英社)、『ベイスターズ再建録』(双葉社)などがある。

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