【世界水泳】瀬戸大也が尽くす水泳漬けの日々 周りは引退しても「まだ自分はやるべき事がある」
北島康介の戦いぶりを見た2013年、今度は「自分が若い選手に何か教えられることがあれば」
29歳。競泳界ではベテランの域に入った。今回の日本代表は、女子個人メドレーの成田実生(みお)が最年少の16歳。男子も19歳の竹原秀一など初代表の大学生が名を連ねた。
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「シニアの代表に入ったのが2013年のバルセロナ大会。当時、北島康介さんと一緒に行かせていただいた。学年では12個上。康介さんが本気で戦っている姿を観察していました。しっかりとアドバイスできるお手本のような先輩でいたいと思う。自分のやるべきことを淡々とやっていけば、そういう姿が映るんじゃないかなと。若い選手にも自分が何か教えられることがあれば」
チームづくりの方法として影響を受けたのは、同学年の大谷翔平。「めちゃくちゃたまにですけど」とオフには食事に行く間柄でもある。日本が優勝した3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での姿に目を見張った。
「積極的にチームメートと話している姿だったり、あまり周りに気を使わせないような立ち振る舞いをしていたりするところが凄くいいなって思いました。自分も周りの選手が緊張したり、気を使ったりするような空気をつくらないようにして、居心地がいい日代表をつくりたい」。結婚祝いとして大谷にもらったグラブは大切にしている。
大谷のほかに鈴木誠也、羽生結弦、萩野公介、桃田賢斗、奥原希望、高木美帆、金城梨紗子(旧姓・川井)、土性沙羅など、世界的に活躍してきたアスリートが多い1994年度生まれの学年。第一線を退く者もいるが、瀬戸は「まだまだ自分にはやるべきことが残っている。自分のやるべきことをしっかりと頑張って、他の人にも刺激を与えられるような活躍をしたい」と老け込むつもりはない。
4度目の金メダルがかかる400メートル個人メドレーは初日の23日。日本代表に勢いをもたらせるか。200メートルは予選、準決勝が26日、決勝が27日。立ちはだかるのは、昨年大会両種目で2冠のレオン・マルシャン(フランス)だ。400メートルの4分04秒28は、怪物マイケル・フェルプスが持つ世界最古の世界記録まであと0秒44差の世界歴代2位だった。新怪物との対決へ、瀬戸は心を燃やしている。
「彼も伸び盛り。自分も各種目で自己ベストを超えていかないと勝てないと思っています。自分は2002年のパンパシフィック水泳で(横浜の)会場に行きました。世界のトップ選手の泳ぎや日本代表の活躍を見て『自分もああなりたい』と思って、頑張ってここまで登ってきた。一人でも『ああいうふうになりたい』と思えるような活躍をしたいと思っています。自己ベストをしっかり出して、金メダル目指して頑張ります」
パリの前に、まずはこの福岡で今の全てを出し尽くす。
(23日の最終回は池江璃花子が登場)
◆世界水泳 7月14日にアーティスティックスイミング(AS)、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。
(THE ANSWER編集部)