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【世界水泳】日本のアスリート的価値観を一変 松元克央の英国武者修行「気楽にやっていいのか」

「復カツオ!!」が今季の目標「メダルにもこだわって臨みたい」

 プールを離れても成長できる材料にはしがみついた。18歳のダビド・ポポビッチ(ルーマニア)の映像を研究。昨年世界水泳は17歳で自由形2冠を達成し、“水の申し子”イアン・ソープより若くして200メートル自由形を制した新星だ。松元は呼吸のリズム、左手の水の捉え方を参考にした。



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「僕の中でしっくりくることが多くてタイムも上がってくれた。もともと右手で進む泳ぎ方でしたが、左手でもしっかり水を捉える感覚を得られた。それによってボディーポジションが上がる感覚を味わえましたし、その分スピードも出て楽に泳げる。彼のいいところを少し盗めたんじゃないかなと思います」

 前半は楽な泳ぎで力を使わないまま速く入り、終盤までバテずに泳ぎ切る。冬場は徹底的に持久力を強化。「追いカツオ」と称される得意のラスト50メートルに磨きをかけた。日本選手権の3日ほど前から冬場の疲労が抜け、本番で好タイムを連発。最初の200メートル自由形で自身の日本記録に0秒33差まで迫る1分44秒98を出せた。

「1分45秒00じゃなく44秒98というのは狙っていたタイム通り。五輪選考会以来の44秒台で、そこから自信をつけて100メートルの自由形とバタフライに臨むことができた」

 たった0秒02が心にゆとりをもたらした。

 恩師のもとから飛び出し、単身武者修行に出て、海外の若手から吸収。がむしゃらに挑戦した先にあるのが世界の舞台だ。今季の目標は「復カツオ!!」。世界水泳は4×100メートルメドレーリレーにも出場する見込みだ。

「自分のパフォーマンスをしっかりして、楽しむことを忘れずにやりたい。たくさんの協力があってここまで来ることができたので、メダルを持ち帰ってその人たちに掛けてあげたいですね。その気持ちがかなり強いです。メダルにもこだわって臨みたい」

 自由形で世界と戦う日本のカツオ。愛称の通り、泳ぎ出したらもう止まらない。

(21日の第32回は成田実生が登場)

◆世界水泳 7月14日にアーティスティックスイミング(AS)、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。

(THE ANSWER編集部)

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