【世界水泳】「弱いって罪」 見向きもされない時も…飛込・荒木&須山ペアが結果にこだわる理由
水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)が7月14日に開幕する。2001年以来22年ぶりの日本開催。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施する。その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。
「世界水泳カウントダウン連載」特別編―男子シンクロ板飛び込み・荒木宥図&須山晴貴
水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)が7月14日に開幕する。2001年以来22年ぶりの日本開催。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施する。その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。
【注目】DAZNは年間プランがおトク! プロ野球、F1、国内サッカー、ゴルフ、テニス…見られる競技が盛りだくさんのDAZNはこちら
ここまで競泳を中心としてきたが、12日の第22回は特別編。男子シンクロ板飛び込みの荒木宥図(ゆうと・NSP)、須山晴貴(NSP宇都宮)のペアが登場する。5月のW杯第2戦(モントリオール)で3位に入った2人。日本の飛び込み界を牽引してきた東京五輪代表の寺内健、坂井丞組を上回って代表権を掴んだ。「弱いって罪だな」と痛感した時期を乗り越え、2024年パリ五輪行きを決めるべく表彰台を狙う。
◇ ◇ ◇
初の世界水泳までの道のりは険しかった。もともとは個人種目のライバルだったが、27歳の荒木は身長173センチ、25歳の須山が175センチと背丈が同じこともあって4年前にペアを組むことになった。「組む前から仲が良かったのでそれが良かった」と荒木。最初の日本選手権は高得点をマークしたが、以降3年ほどは「どうしても自分のミスが目立つ」と伸び悩んだ。
荒木が自らの責任とする一方、須山も自分の甘さを振り返る。痛感したきっかけは21年東京五輪に出場できなかったことだ。
須山「(地元の島根から)栃木に来て2年になりますが、結果を残さないと誰にも見向きもされない。今まで島根にいて、どれだけ自分が守られてきたのか。(地元では)ジュニアの頃からトップでやってきた積み重ねがあるので、結果を残さなくても『次があるよ』とやってくれた。けど、(新しい環境では)五輪に行けなかった新参者は誰にも見向きもされない。扱いや周りの見る目が違うと改めて感じた時に、『弱いって罪だな』って感じました」
前回福岡で行われた01年世界水泳、寺内が個人種目の3メートル板飛び込みで銅メダルに輝いた。42歳のレジェンドは坂井とペアを組み、東京五輪で5位に。須山はその姿に違いを感じずにはいられなかった。
須山「ハングリー精神が全然違った。健さん、丞さんは長年日本のトップを走ってきて、苦しい時も、注目されない時も2人で引っ張ってきた。その経験値と『飛び込みで食べている』というハングリー精神を考えると、勝てない部分がありました。組んだ時は俺が大学生ですし、宥図くんも社会人になりたて。どっちもフワフワしていた。飛び込みを何となくやっていた部分があるので勝てなかった」
休みは一緒に出かけ、課題を言い合える関係。遠慮せずにぶつかり合った。
選手2人が3メートルの飛び板から跳ねた後、板の弾力性を利用して2人同時に飛び込み、繰り出す技で争う採点競技。ペアの同調性が問われるが、2人は練習拠点が異なる。荒木が地元の新潟、須山が所属先のある栃木。月に1度、荒木が栃木に足を運び、修正点を確認して持ち帰るという。筋肉量まで近づけ、シンクロ率を高めていった。
荒木「個人でも地元で練習していれば、次にシンクロを組んだ時に自然と合ってくるので、その辺りは大丈夫ですね」
須山「個人の完成度が高ければ自ずと合ってくる。合わせるというより、まずは個人の完成度をしっかり上げるのが今後の課題と思います」