「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと20日―女子400＆800m自由形・小堀倭加

　水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡（テレビ朝日系で中継）が7月14日に開幕する。2001年以来22年ぶりの日本開催となり、中でも注目を集めるのは競泳だ。個人種目で金メダルなら1年後のパリ五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施する。

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　その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。3日の第11回は、女子400、800メートル自由形に出場する小堀倭加（わか・あいおいニッセイ同和損保）が登場。3か月前に経験した“開き直り”とそこで見せた底力、さらには自身を高めてくれるライバルの存在を振り返り、22歳は新たな環境で迎える大会での「恩返し」を誓った。

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　光が見えない中で、小堀のメンタルは揺れ動いていた。4月の日本選手権、女子800メートル自由形予選の直前。前日までの同400、200メートル決勝でそれぞれ2位、6位に終わり、「狙っていたところに届かず」に苦しんでいた。同郷の神奈川の選手や仲の良い選手たちが次々と代表権を獲得していく姿を目の当たりにし、自身の結果も相まって、悔しい思いを募らせていた。

　調子は決して良くなかった。自覚はあった。2月の合宿中に両足の指を骨折。「選手権に向けて調子を上げていかないといけないなって思っていたけど、合宿で怪我をしてしまったので、さらに不安が大きくなって、うまく練習もできていなかったので不安もいっぱいあった」と自身を追い込んでいた。

　自身の専門種目で残されたのは800メートルだけ。腹をくくった。「本当に800メートルの前は、不安というか少しやる気がない状態だった。でも、レースで力を出し切れないというか、全力で泳げないという方が絶対に悔いが残ると思ったので、800の決勝前は、もう世界水泳のことは考えていなかった。400、200がダメだったので、少し開き直って『ダメでもいいや』って」。何とか気持ちを切り替えて泳ぎ切った。

　結果は優勝。「とにかくレースはしっかりと今持ってる力を全部出せたら、と。気負わずに泳げたというのが一番良かったのかな」。記録は8分27秒85。見事に世界水泳の出場権をつかんだ。翌日の400メートル個人メドレーまで泳ぎ切った。揺れに揺れた大会を振り返る。

「今までの日本選手権の中で一番苦しい6日間だった。でも、最後の個人メドレーまで、気持ちの沈み具合はすごかったけど、レースはしっかりと諦めずに最後まで泳げたので、そこの部分はすごい良かったかなって思っています」