「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと30日―女子200m個人メドレー・大橋悠依

　水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡（テレビ朝日系で中継）が7月14日に開幕する。2001年以来22年ぶりの日本開催となり、中でも注目を集めるのは競泳だ。個人種目で金メダルなら1年後のパリ五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施する。

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　その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。6月23日の第1回は、女子200メートル個人メドレーに出場する大橋悠依（イトマン東進）が登場。東京五輪同種目と400メートル個人メドレーで金メダルを獲得し、引退もよぎった末に現役続行を決めた。4大会連続の世界水泳へ、27歳には「やり抜く使命」がある。

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　代表権を手にした4月、個人メドレーの五輪女王は笑いながら言った。

「絶賛悩み中です」

　2017年の世界水泳、大橋は200メートルで銀メダル。競泳界の新ヒロインとして一躍脚光を浴びた。19年大会は苦悩を味わいながら400メートルで銅メダル。21年東京五輪は両種目で世界一に立った。

　当時25歳。競泳界ではもう若手ではない。引退も考えた末、現役続行の道を選んだ。理由の一つは東京五輪が無観客開催だったことにある。

「もう一度、家族や友人の前で泳いでから辞めたい。そもそも、自国開催の国際大会が巡ってくることは凄くラッキーなこと。凄くありがたいし、それをものにしていい泳ぎをしたい」

　両親は小学生の頃からレース観戦を楽しみしてくれていた。地元の滋賀から東京まで車で駆け付けるほど。しかし、17、19年世界水泳も、東京五輪も全てテレビ画面越しだった。自国開催はようやく輝く姿を届けられるチャンス。「やっぱりいくつになっても活躍している姿は見てほしい。ちょっと緊張しますね」と苦笑いするのも、強い想いの裏返しだ。

　東京五輪では、両親が大橋の予選落ちに備え、内緒で都内に待機していた。選手村から帰ってくる娘を慰めるため。「でも、まさかの金メダルで大喜びだったみたいです」。2人の姉とテレビ観戦した祖母は、200メートル決勝のラスト15メートルで「一番端っこかぁ」とポツリ。ゴール寸前で優勝争いしていることに気づいた。快挙に家族は大盛り上がり。義理の兄がその様子を動画に収めてくれていた。

「おばあちゃんには『そこでわかったんかい！』って（笑）。でも、喜ぶ瞬間を見られたのは一番嬉しかったですね」

　そんな自分以上に喜んでくれる存在へ、今度は生で雄姿を届けるためにプールに帰ってきた。「まだ速くなれる」。東洋大時代から7年半師事した恩師・平井伯昌コーチの元を離れ、環境を変えた。しかし、昨年の世界水泳は200メートル13位、400メートル5位。世界大会での連続メダルが途切れた。