「バストのサイズに左右差」「生理が近づくと胸に痛み」 話しにくい女性のバストと下着選びのお悩み
「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。3日には、女性アスリートや指導、保護者を対象としたオンラインイベントを開催した。全3部で現役アスリートや専門家を招き、第1部は「月経とコンディショニング」、第2部は「知っておくべき成長期のカラダと変化」、第3部は「男性指導者と女性アスリートのコミュニケーション」とテーマが設定された。
「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」オンラインイベント第2部レポート
「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。3日には、女性アスリートや指導、保護者を対象としたオンラインイベントを開催した。全3部で現役アスリートや専門家を招き、第1部は「月経とコンディショニング」、第2部は「知っておくべき成長期のカラダと変化」、第3部は「男性指導者と女性アスリートのコミュニケーション」とテーマが設定された。
今回は第2部をレポートする。MCに五輪2大会出場の元競泳選手・伊藤華英さん、ゲストに五輪4大会連続出場の元陸上長距離選手・福士加代子さんと日本フェンシング界の未来を担う18歳・飯村彩乃選手、講師にワコール人間科学研究開発センター・主席研究員の坂本晶子さんを迎えて、女性アスリートが知っておくべき成長期の体の変化や、体型変化に伴うアンダーウェアの必要性や選び方についてディスカッションが行われた。
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女性アスリートの特徴のひとつが、思春期の体の変化。初経を迎えて体が丸みを帯びたり、体重が増えやすくなったりする。それに伴うコンディション管理は選手はもちろん、指導者や保護者も一緒に考えるべき問題だ。今回、登壇した講師の坂本さんは1964年に設立されたワコール人間科学研究開発センターに勤務している。
4歳から69歳まで女性の体にまつわる4万5000件のデータを保有し、商品開発などの研究に生かしている。初経の1年前から胸や尻が女性らしく変化していく傾向があるといい、坂本さんは「小学5年生くらいの高学年は大人っぽい子から少女っぽい子までばらつきが多い年代。『もう○○ちゃんはブラジャーをつけているかな』という話が出るのもこの頃。バストは4年間かけて形や硬さが変化し、初経の時期はその変化に関係が深いと言われています」と説明した。
バストは女性アスリートのパフォーマンスを考える上で大切な要素。ケアの方法として、スポーツブラが選択肢にある。上下動が多い陸上長距離で活躍した福士さんは「私はバストが小さいので揺れるものじゃないと思っていた(笑)。スポーツブラなんて要らないと思っていたけど、した時としない時で差があるんです。一度すると、こんなに小さい胸でも揺れているんだなと気づく。スポーツブラもつけた方が体にも良い」と必要性を実感する。
「プレースタイル的に上下運動が多い。成長するにつれ、スポーツブラをしないとバストの付け根あたりに痛みを感じるようになった」と言うのは、フェンシング選手の飯村選手。スポーツブラなら何でもいいわけではなく、「ホールド力」がポイントという。「私にとっては、スポーツブラの効果を感じないものもある。ホールドがあると『バストが痛いなあ』など、競技で余計なことを考えずに済みます」と同調する。
生理前になると、バストに痛みを感じ始めるという飯村選手は「歩くたびに痛いようになると、生理が来るんだなと実感する。そういう時は締め付けが少ない、緩めのスポーツブラをつけるようにしています」と明かした。トップ選手になれば、アンダーウェアについてもしっかりと考えて選択していることが窺える。
運動時のバストの負担について、坂本さんは「どれくらい揺れないようにすべきか、自分の動きと合わせてブラジャーの強さを選べば、揺れのケアをすることができます」と説明。成長期と大人のバストには違いもあるといい、「成長期に大人用のブラジャーをつけると、ワイヤーが食い込んだり、カップが浮いたりしてフィットしなくなる。成長期のバストは硬く、ブラジャーに合わせていくことができない。しっかりと高い位置にある設計のものが合います」と語った。
この話に、飯村選手は「大人とのバストの違いがあることを初めて知ってびっくり。私(18歳)の年代に合うブラジャーを選ぶことで競技に集中できるんだと思いました」と実感し、福士さんも「私は(バストが)張る時は緩めのものをつけるなどしている。今は選べるものがいっぱいある。上手に使ったらいいと思う」と頷いた。