「え、ちょっとヤバいぞ」血液検査で知った現実 卵子凍結で手にした、人生を天秤にかけない生き方――柔道・角田夏実

カウンセリングで実感した「ちょっとヤバいぞ」
25年6月、角田さんは女性アスリート外来で、医師のカウンセリングを受けた。
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「まずは自分の体を知らないと何も決められない」。期間や方法、費用など、十分に説明を受けたものの迷う角田さんに、医師は「卵子の状態がわかるからやってみたら?」と、血液検査を勧めた。その結果、自分は同年代の平均値よりも卵子の数が少ないことを知る。
「自分の値は40代の半ば~後半の平均値と同じくらい。年齢による卵子の数の推移を示すグラフで見ると、卵子の数がズドンと落ちているあたりです。『え、私この辺なんだ。ちょっとヤバいぞ』と思いました。
先生にも『数値から予測を立てると、卵子凍結の処置ができるのはあと5年かな』と現実的な猶予を言われました。当時はまだ競技も続けたかったし、セカンドキャリアに向けてこれからという時期。『5年間で結婚して子供を作ろうと思ったら、本当に何もできなくなってしまう』と思い、卵子凍結をすることを即決しました」
血液検査から2か月後、角田さんは卵子凍結に向けて準備を始めた。週2、3日は通院し、排卵を起こすための薬剤を、毎日決まった時間に腹部に注射。海外遠征期間は日本との時差を考慮し、投薬を続けた。
そして、準備を始めてから12日後、11個の未受精卵を採卵。無事、10個の卵子を凍結する。
「柔道は階級別競技です。当時は競技を続けていたので、投薬中も薬剤による体の変化が気がかりでした。
実際、お腹周りが明らかにプニプニになったので、薬剤の影響で体重が増えたり、元の体にきちんと戻らなかったりしたらどうしよう、という不安はぬぐえなかった。また、大丈夫だとわかっていても、本当にドーピング規程に抵触しないだろうか、という心配もありました。でも終わった後は、ちゃんと体が戻ったし、本当にやって良かったと思っています」
それまで心に去来したキャリアに対する懸念や不安もすっかり消えていた。「心にゆとりができたことがすごいメリット」と話す。
「もちろん、卵子凍結は将来の妊娠を確約するものではありません。でもあと1、2年は、仕事も結婚も妊娠もと焦らず、次のキャリアに全力で時間を使えます。卵子凍結のことは血液検査をする前に母にも相談しましたが、『そうなんだ。いいと思うよ』と、サラっと賛同してくれました。今は5歳上の姉に、『1日も早く検査だけでもした方がいいよ!』と勧めています」
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