「バレーに100%を注ぐみんなとやっていいのか」 育児と代表活動で抱えた35歳岩崎こよみの葛藤
決意した五輪への挑戦「みんなの頑張りを繋げるために」
でも、五輪には出たい。自分の夢を叶えるため、挑戦を決意した。28歳の主将・古賀のサポートへ、33歳の山岸あかね、29歳の小島満菜美ら年長選手と結束。選手ミーティングは率先してリーダシップを取った。眞鍋政義監督も「古賀の負担を少なくするためにキャプテンみたいなことをやってもらった」と頼りにする。
ママの葛藤は、いつしか覚悟に変わっていた。
「自分にしかわからないこと、経験を伝えられれば」
五輪切符の懸かった今大会も先発起用。勝てば五輪決定と伝えられていた13日、カナダに敗れた。セッターとアタッカー陣の呼吸が合わなかったのも一因。それでも中1日で修正し、チームの大目標だった6大会連続の五輪切符を死守した。戦いはここで終わりじゃない。
「みんなの頑張りを繋げるために頑張ってきた。自分のできることをしっかりコートで表現する。五輪まで本当に時間がない」
16日の米国戦に勝って世界ランク5位以内に入れば、五輪の組み合わせで優位になる可能性もある。愛息を抱く、その両手で日本が勝つためのトスを上げる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)