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病院に通うだけで「不妊治療」はおかしい 公表決断の理由、自分のために使った「妊活」の2文字――ゴルフ・有村智恵「女性アスリートとライフプラン」

「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「“つながり”がつくる、私たちのニューノーマル」をテーマに1日から8日までアスリートがインタビューに登場する。さまざまな体験をしてきたアスリートといま悩みや課題を抱えている読者をつなぎ、未来に向けたメッセージを届ける。4日目は2000年代後半から女子ゴルフ界を長年牽引してきた有村智恵(フリー)が登場する。テーマは「女性アスリートとライフプラン」。結婚・妊娠・出産・育児など、女性にはキャリアに影響を与えるライフイベントが多く存在する。「妊活」公表を経て、36歳で出産を控える有村が語る、1人の女性アスリートとしての人生設計。後編では、22年11月にSNSで「妊活」を公表した理由について明かした。センシティブな話題を発信したからこそ見えたもの、そして大好きなゴルフと歩み続ける未来へ思いを馳せた。(取材・文=金 明昱)

有村智恵がSNSで「妊活」を公表した理由について明かした【写真:Getty Images】
有村智恵がSNSで「妊活」を公表した理由について明かした【写真:Getty Images】

「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」4日目 女性アスリートとライフプラン/有村智恵インタビュー後編

「THE ANSWER」は3月8日の国際女性デーに合わせ、さまざまな女性アスリートとスポーツの課題にスポットを当てた「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「“つながり”がつくる、私たちのニューノーマル」をテーマに1日から8日までアスリートがインタビューに登場する。さまざまな体験をしてきたアスリートといま悩みや課題を抱えている読者をつなぎ、未来に向けたメッセージを届ける。4日目は2000年代後半から女子ゴルフ界を長年牽引してきた有村智恵(フリー)が登場する。テーマは「女性アスリートとライフプラン」。結婚・妊娠・出産・育児など、女性にはキャリアに影響を与えるライフイベントが多く存在する。「妊活」公表を経て、36歳で出産を控える有村が語る、1人の女性アスリートとしての人生設計。後編では、22年11月にSNSで「妊活」を公表した理由について明かした。センシティブな話題を発信したからこそ見えたもの、そして大好きなゴルフと歩み続ける未来へ思いを馳せた。(取材・文=金 明昱)

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 2021年12月に一般男性と結婚した有村智恵は、22年11月にインスタグラムで「妊活に専念する」と公表した。“引退”ではなく、休養であることも強調していたが、改めて35歳のタイミングで公表した理由について聞くと、はじめに「ひと昔前は、『女性アスリートは結婚したらダメになる』って必ず言われていたんです」と苦笑いしながら、こう続けた。

「結婚したらダメになるって、まるで何かの“呪いの呪文”かのようですよね(笑)。私はその言葉が本当に不思議でした。一方で男性アスリートは結婚したら成績が上がるとか言われて、評価も上がる。女性が結婚したら結果が悪くなると言われるのは、理解できませんでした」

“結婚したらダメになる”とは実に根拠のない言葉でもある。裏を返せば女性アスリートは結婚したらいずれ妊娠し、出産すると子育てに追われ、引退せざるを得ない――というステレオタイプ化された概念が、日本社会全体に蔓延していたからとも言える。

「それこそ、結婚とゴルフは両立できないと決めつけるのは根拠のないものですが、ただ、妊娠や出産に関しては、どうしても年齢が関係してきます。自分が妊娠と向き合うまではまったく意識していなかったんです。35歳になっても『(選手として)まだまだやれるよ』という言葉をもらうことが多かったのですが、それは特殊な世界にいるから。自分のライフプランを考えた時に、ゴルフもしたいけれど、子供を持ちたいと思った時、どうしたらいいのかと思い婦人科系の病院でいろいろな相談もしました。そこで高いハードルがあるという現実を突きつけられたんです」

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。著書に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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