2児の母になった中野友加里 「筑前煮が大好き」な我が子への愛情、夫への感謝
スケートから学んだ教訓「継続は力なり」、尊敬する先輩ママは荒川静香さん
――必ずしも公園まで連れて行かなくても散歩ひとつでもリフレッシュになりますね。
「私としては、自然を学んでもらいたいという想いもあります。ちょうど自宅近くに川があるので、川沿いを歩いて、勉強も兼ねて季節を感じてもらえれば、と。もともと子供たちが虫や花が好きで、家でいつも図鑑を読んでいますが、図鑑と照らし合わせて、実際のものを見つけることをよくやります。今、我が家に子供が拾ってきたカタツムリがいて……。私は苦手なのですが、カゴに入れて飼っております(笑)」
――健康を考える上での食事にこだわりはありますか?
「私は、有機栽培とかオーガニックとかにあまりこだわりがないんです……(笑)。幸いなことに子供が肉よりも野菜の方が好き。珍しいかもしれませんが、『野菜をたくさん入れて。いろんな野菜を食べたい』と言ってくれるので、なるべく野菜中心の生活です。好き嫌いもない。お肉やお魚も食べますが、野菜を好んで食べてくれるので、作り甲斐があります」
――野菜好きな子供たちが一番喜ぶ中野さんの手料理は何でしょう?
「ちょうど、8月に長男の誕生日だったので、何を食べたいか聞いてみたら、『筑前煮が食べたい!』って」
――5歳の男の子が。し、渋い……。
「私も『えっ、筑前煮!?』みたいな。私は構わないのですが、最近は我が家の食卓には筑前煮の出番がすごく多いです(笑)」
――フィギュアスケート界の同世代の選手も子供を持っている方が多いですが、子育てで勉強になる方はいますか?
「もう、みんなママやパパになっちゃって、時の流れを感じますね。その中で『やっぱり、できる方だな』と思うのが荒川静香さんです。ご自分もアイスショーで滑り続け、なおかつテレビなどの仕事をたくさんしながら、2人のお子さんもしっかりと育てられている。スーパーパワフルです。日々の子育てにプラスして、滑るなんてすごい体力です。いったい、いつ寝るんだろうと思います。
実は、荒川さんとは下の娘が同い年で、習い事も一緒なんです。なので、よく顔を合わせて話をするのですが、これだけの忙しさでありながら、お子さんのことにしっかりと向き合っている。お料理の話をしても『子供がこれ好きだから』と言って用意されている。私は最近氷に乗ってスピンを回ってみたのですが、『これはもう滑っちゃいけないな』と思うくらい衰えていたので(笑)。本当に尊敬しかありません」
――競技から学んだ財産も多いと思います。フィギュアスケートをやってきた経験が子育てに生きたことはありますか?
「『継続は力なり』ですね。スケートも続けることに意義がありました。何か一つのものを続けるって、実はすごく大変なこと。そして技術を維持しなければいけないことはもっと大変なこと。子育ても似ているのは継続していることなので、それをいかに我慢するか。日々イライラすることもありますが(笑)、これを続けていけば子供が幸せになれる。子供の幸せとして返ってきてくれると思って毎日、生活しています」
(17日掲載の後編に続く)
■中野友加里 / THE ANSWERスペシャリスト
1985年生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子選手として史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を務めるほか、審判員としても活動。15年に結婚し、2児の母。自身のYouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」を開設し、人気を集めている。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)