甲子園でV、巨人入団…女子野球を“職業”に WBCに続く世界最高峰に挑むパイオニアの矜持――野球・島野愛友利

WPBLが女子野球の“うねり”になる予感
そして今、その延長線上にあるのが米国挑戦である。
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新たに始まるWPBLは、1シーズンが約2か月間という短い期間ではあるが、その間はプロ選手として報酬が支払われる。職業として野球を続けられる選択肢はきわめて稀だ。「行くしかないと思いました」と決断は早かった。試合日程と重なって現地トライアウトには参加できなかったが、プレー映像を送ってドラフト指名を勝ち取った。
米国や日本のほか、カナダ、韓国、メキシコなど世界各地から有力な選手が集まる世界的な舞台。「これまで女子野球では世界中の選手が集まるリーグは存在しませんでした。それがベースボールの本場アメリカで開幕するということで、女子野球にとって大きなうねりになる予感がしました。そこで存在感を示すことができれば、日本野球の価値向上にもつながると思います」と参戦する意義を見出す。
直近のWBCで世界中から注目を集めた大谷翔平や山本由伸、吉田正尚などMLBで活躍する日本人選手たちを引き合いに出し、こうも続けた。
「日本からMLBに挑戦している選手たちは、そこで活躍しているからこそ、世界的な知名度があります。WPBLも、女子野球の中でそういった価値のある場所になり得ると考えています」
うねりの中心に飛び込み、新たな道を切り開く。「その姿を後輩たちに見てもらい、WPBLも選択肢の一つに挙がるような舞台になってほしいと思っています」と語り、パイオニアとしての矜持をにじませる。
南部商業高校2年の城間心彩は以前から島野に憧れ、巨人の女子チームに入団することや、海外で野球をすることが夢だという。「アメリカでも島野さんのプレーを多くの人に見てもらい、女子野球をもっと広めていってほしいです」とエールを送る。島野の背中は、確かに後進の道しるべとなっている。

もう少しで海を渡る島野。準備にも余念がない。打者としては「海外の投手はボールが多少動くので、捉えられる幅をより広げたい」と線で捉えるスイングを追求し、投手としては変化球の精度とフォームの安定性を磨く。米国でも二刀流を追求し続けるつもりだ。
1年目の目標は「まずはけがなくシーズンをやり切ること」。未知の環境でのプレーになるため、まずは土台固めに注力する。リーグは不透明な部分も多い。「どう転ぶかわからない」との認識も口にする。しかし、それらも含めて「すごい楽しみです」と朗らかに笑う。根っからのチャレンジャー気質なのだろう。
新たな舞台へ踏み出すその一歩は、島野自身の未来だけでなく、女子野球全体の可能性をさらに広げていく契機になるはずだ。
(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)

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