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消えた五輪の夢、アルバイト経験も…プロ9年で打率.373 女子レジェンドが絶望を跳ね返した日

笑顔で女子選手を指導する川端さん(中央)【写真:主催者提供】
笑顔で女子選手を指導する川端さん(中央)【写真:主催者提供】

夢が打ち砕かれた時どう進む? 故郷でのアルバイトにあったヒント

「立ち止まってもいいから、悲観的にならずに向き合っていくと、新しい夢や目標は必ず見つかると私は思っています。小さなチャンスは意外と近くにある。遠くを見るんじゃなく、近くの小さなものからでいいんです」

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 川端さんの場合は、アルバイトがそれだった。「お仕事へのチャレンジもそうですし、自分がしてきた経験をお客さんと話せるなと思ったんです。グラブのひもを換えたりしながら」。そうしているうちに飛び込んできたのが、女子プロ野球創設の知らせだった。

 2009年に行われたトライアウトに合格し、1期生として女子プロ野球入り。2018年まで9年間プレーし、初年度を含め首位打者3回、MVP1回、通算打率は驚きの.373という、リーグの“レジェンド”へ上り詰めた。その後もエイジェック、九州ハニーズと場所を変えながら、クラブチームで2024年まで現役を続けた。

 今、女子が野球を続ける道は大きく広がっている。巨人、阪神、西武が傘下に女子チームを持ち、女子硬式野球選手権の決勝は男子と同じ甲子園が舞台だ。「昔は女子プロですって言うとプロレス? ソフトボール? ゴルフ? と不思議な顔をされたこともあります。今では女子が野球をやるのも浸透しましたよね。この15年で大きく変わったと思います」。次世代を担う選手に温かい視線を送る。

「女の子ばかりの野球教室に行く機会って、なかなかないんです。大好きな野球を、楽しいなと思う気持ちを忘れないでほしい」

 現在は、女子野球発展のために様々な活動を行っている。現役の先に見つけた新たな夢に向かって、着実に歩みを進めている。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)


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