女子アスリートと「結婚・妊娠」問題 横峯さくらが描く「=引退」じゃない支援の形
支援体制が整っていれば、より長い現役生活を送る選手が増える可能性も
横峯自身、将来的にはゴルフを続けながら子供を持ちたいと願う気持ちがある。「結婚=引退」と考えていた以前とは違い、2014年に結婚した後も現役を続行。「自分でもビックリしています」と笑うが、それも全ては家族を大切にしながらも、ゴルフとも真剣に向かい合える環境が整っているからだ。
「引退を考えなくても、1回お休み、という感じで出産に臨むことができると思うんです。もちろんツアーから1年離れれば、再びベストの状態に戻すのは大変。でも、それが早くできる選手が一流だと思うし、安心して戻れる環境があります。これって、すごいと思うんです。日本の現状だと、妊娠・出産を考える選手にとって、どうしても選択肢が狭められてしまう。
出産後もゴルフができる支援体制が整っていれば、長く現役生活を続ける選手は増えると思うんです。もちろん、出産を機に引退するのも1つの選択肢。でも、戻りたくてもサポートが見つからなくて不完全燃焼のままキャリアを終えてしまった人も、ゴルファーとして納得のいくキャリアを送れたんじゃないかなって」
女性アスリートも、一般女性と変わらずプライベートとキャリアを両立させたい気持ちを持っている。横峯が米LPGAツアーで見たサポートシステムのように、選手をアスリートとしても女性としてもリスペクトする体制が整えば、さらに多くの女性がスポーツに打ち込み、長いキャリアを送れることになるのかもしれない。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)