女子アスリートと「結婚・妊娠」問題 横峯さくらが描く「=引退」じゃない支援の形
アスリートにとって、そのキャリアの中で転機となるポイントがいくつかある。プロになった時、怪我をした時、30歳を迎えた時、チームやコーチが変わった時、結婚した時……。こういった転機の中でも、女性アスリートにとって最も大きなターニングポイントになるのが「妊娠・出産」だろう。
「結婚=引退」と考えていた横峯を変えた米LPGAツアーでの光景
アスリートにとって、そのキャリアの中で転機となるポイントがいくつかある。プロになった時、怪我をした時、30歳を迎えた時、チームやコーチが変わった時、結婚した時……。こういった転機の中でも、女性アスリートにとって最も大きなターニングポイントになるのが「妊娠・出産」だろう。
「妊娠・出産」はアスリートに限らず、様々な分野でキャリアを持つ女性にとって、一度は考えるトピックス。「妊娠・出産」ともなれば、一時的にキャリアを離れなければならず、これを機に離職・転職をする人も多い。最近では、育児休暇や早期復職する場合の託児サポート、女性だけではなく男性の育児休暇を認める企業など、子育てに優しい企業が増える傾向にあるが、一方で日本のスポーツの現場では「妊娠・出産」に対するサポートは不十分だと言わざるを得ないだろう。
2004年のプロテスト合格以来、日本女子ゴルフ界を牽引してきた横峯さくらは、キャリアを歩む中で漠然と「結婚したら引退するんだろうな」と思っていたという。結婚をすれば、そのうち子供も生まれるだろう。だが、当時の横峯には子供を産み、育てながらゴルフを続ける自身の姿を思い描けなかった。
「もちろん、中にはお子さんを育てながらゴルフをなさっていた方もいましたが、私には結婚、出産とゴルフを両立するイメージができませんでした。女性としての幸せか、ゴルファーとしてのキャリアか、どちらかを選ばなくてはいけないのかな、と。また、それが当たり前だと思っていたんです」