「女子シャワー室で下の隙間からスマホが…」性犯罪も直面 ビーチバレー盗撮問題の今、拭えぬ「ビキニ」の印象に葛藤も

安心してプレーできる環境を求めて…ビーチバレー界も変化、対策進む
ただ、ビーチバレー界も徐々に変わりつつある。ビキニ着用について、肌の露出が多いユニホームが一般的な陸上競技出身の関口は「抵抗はなかった」と話すが、インドアバレーなどから転向を考える選手の障壁の1つにもなる。昨年のルール変更はそうした課題解消に一役買い、国内の競技人口は3238人(2024年度の登録選手数)と増加にもつながっている。
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他にも試合会場では「撮影NG」の張り紙やプラカードが掲示されたり、更衣室付近には人員が配置されたり、人が歩くと音が鳴るブザーが使われたりと、選手が安心してプレーできる環境づくりは少しずつ進んでいる。
そうした取り組みに感謝をしながら、関口は一人のビーチバレー選手として思いを口にする。
「私が言うのはおこがましいけれど……盗撮などの被害が本当に減ってほしいと思っています。競技に集中できる環境が整えば、それだけで選手のパフォーマンスも変わるはずなので」
続けてこうも語る。
「ビーチバレーは運営側も人手や予算が限られていて大変なのは理解していますが、それでも少しの見回りや注意喚起があるだけでも防げることはあると思うんです。未来の選手たちのためにも、もっともっと安心できる環境を整えていってほしいですね」
春高バレー出場やバレーボールの強豪校出身など、インドアバレーボールで実績のある選手が多いビーチバレー。関口は約10年間のバレーボールのブランクを経て、27歳で飛び込み、今も異例の挑戦を続けている。
「自分が上手くなればなるほど、勝ちに近づける。より個をそしてチームを応援できるスポーツだと思う。観ているうちに戦術も分かってくるので、より面白くなると思う」
本気で競技と向き合っているからこそ、ビーチバレーの真の魅力が伝わることを願っている。
■関口 希望 / Nozomi Sekiguchi
1994年9月20日、栃木・宇都宮市生まれ。中1から始めたバレーボールで宇都宮市選抜に選出。宇都宮北高ではバレー部がなく、陸上競技でやり投げに専念。大学3年から2年連続で日本インカレに出場し、大学卒業を機に引退した。しかし、大手旅行代理店に勤務していた社会人時代にビーチバレーに魅了され、2022年8月に転向した。競技歴3年で国内ランク30位を記録。今年5月からインドアの実業団・東京スジリエでもプレー。身長170センチ。兄はDeNAなどで外野手を務めた元プロ野球選手・雄大さん。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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