下着・ナプキンが透ける不安「私はずっと気にしていた」 ネットで検索しても答えなき女性アスリートの悩み――陸上・佐藤友佳

生理中の競技に不安「ユニフォームの間はずっと気にしています」
――JISSは気軽に婦人科を受診できる環境なのでしょうか?
本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】
「メディカルクリニックというセンターに歯科、内科、外科などが入っていて、婦人科もあります。当時、歯科に通っていて『ついでにいけるじゃん』という軽い感じで行ってみると、こんな簡単に相談できるんだと。それがきっかけでピルを服用するようになり、それ以降は近所の婦人科に行きました。スポーツをやっていることを説明して、『飲んでいるピルがなくなりそうなので処方してくれませんか?』と気軽な感じ。スポーツ専門のドクターではないですが、スムーズに対応していただきました」
――イベント中にはスパッツのユニフォームだとナプキンの形が浮き上がってしまう不安を正直に語っていました。思春期の中高生はより切実になる課題です。
「その辺はみんなが試行錯誤しているところじゃないでしょうか。私もいろんな生理用品を試して、初潮が来た中学校3年生から高校生くらいは当時『これだ』と思ったものを周りにシェアした気がします。『このナプキンが薄くて、漏れにくくていいよ』『絶対、羽根つきの方がいいよ』と。ただ、(より露出が多い)ブルマを穿く短距離の選手の方が気になるもの。下着がはみ出てないかみんな気にするし。投てき選手はその辺の心配はなかったけど、スパッツはピタッとしているので、やっぱり下着やナプキンの形が見える。色によっても影響が出るし、本当に気になります。ユニフォームの間はずっと気にしています」
――最近、陸上界は盗撮防止のユニフォームの開発が進んでいます。女性アスリートの競技環境が守られていくのは素晴らしいことですが、月経対策という面でもユニフォームに配慮があるといいですね。
「スパッツにとらわれない風習になっていけばいいなとは思います。ただ、陸上のユニフォームの格好良さはピタッとして体のラインが綺麗に見えるところ。そこはなくさなくていいけど、選手が選べる状況になってくれるとうれしい。例えば、短パンにすると形が見えないから集中しやすい。スパッツはナプキンがズレていると形が分かる気がして、私はすごく気になります。ただ、短距離の選手はゴールする時に(計測器で)より見えるのはピタッとしたブルマやスパッツなので、判断は難しいですね」
――佐藤さんなりに「こんなものがあったらいいな」という要望はありますか?
「例えば、ナプキンが2枚くっついていて1枚を外したら新しいのが出るみたいな形状があったら、めっちゃ楽とは思うけど、分厚くなってモコモコしてしまう。本当に個々の事情に向き合っていくしかない。あとは知識面。私も中高生の時はスマホじゃなく、大学になってスマホで簡単に調べれるようになり、タンポンの使い方とか理解して使えるようになった。でも、知らないことはいっぱいある。センシティブな内容だから簡単に人と喋れる話でもないし。新しく変わっていくと一番いいですね」
(後編に続く)
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)









