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練習に「行きたくない」 なでしこ黄金世代の衝撃…仲田歩夢が“弱い心”を捨てた忘れられない1年

サッカー女子WEリーグの大宮アルディージャVENTUSに所属する仲田歩夢が、「THE ANSWER」のインタビューに応じた。17歳で出場した2010年U-17女子ワールドカップ(W杯)準優勝をきっかけに脚光を浴びたが、その後は決して順風満帆なサッカー人生を歩んできたわけではない。さまざまな壁を乗り越え、31歳になった現在までピッチに立ち続ける背景には、高卒3年目での意識改革があった。(取材・文=長島 恭子、ヘア&メイク=榊 美奈子)

「THE ANSWER」のインタビューに応じた仲田歩夢【写真:回里純子】
「THE ANSWER」のインタビューに応じた仲田歩夢【写真:回里純子】

U-17女子W杯で準優勝も…立ちはだかった世界女王の高い壁

 サッカー女子WEリーグの大宮アルディージャVENTUSに所属する仲田歩夢が、「THE ANSWER」のインタビューに応じた。17歳で出場した2010年U-17女子ワールドカップ(W杯)準優勝をきっかけに脚光を浴びたが、その後は決して順風満帆なサッカー人生を歩んできたわけではない。さまざまな壁を乗り越え、31歳になった現在までピッチに立ち続ける背景には、高卒3年目での意識改革があった。(取材・文=長島 恭子、ヘア&メイク=榊 美奈子)

本当にしんどかった重い生理痛 婦人科医に相談、服用し始めたピルが私には合った――サッカー・仲田歩夢選手【私とカラダ】

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「サッカーが大好きだから、できるだけ長くプレーを続けたい。そのためには『プレーの質を保つ』ではなく、『もっと良くなってやる』という気持ちで、自分を磨き続けるしかない。

 WEリーグでプレーしている以上、トップリーグの選手としての責任があります。自分のなかでは、思うように動けなくなったり、張り合えない、しんどいと思うようになったら、やっぱり、ここにいるべきではない、と思っているので」

 そう話すのは大宮アルディージャVENTUSの仲田歩夢。今年31歳になった。慢心のない言葉に、選手として長く活躍する理由が伺える。

 女子サッカーの強豪、常盤木学園高(宮城)時代から、年代別日本代表に選出。卒業後、当時の女子サッカートップリーグ、なでしこリーグのINAC神戸レオネッサに加入した。

「鼻をへし折られました。フィジカルの強さやスピードで敵はいない、という感じだったのに、武器だと思っていたことが、そうでもないと気づいた。当たり前に『上には上がいるんだ』と思い知りました」

 加入したのは2012年。この頃のINAC神戸には、澤穂希、大野忍、川澄奈穂美ら前年の女子W杯ドイツ大会で優勝したなでしこジャパン(日本女子代表)の7選手が所属。リーグ戦、カップ戦で3連覇を達成するなど、黄金期を迎えていた。

「澤さんをはじめ、なでしこの選手たちは皆、レベルが違ってうまかったし、体も心も強かった。自分はついていくのに精一杯。『あぁ、こういう選手が世界のトップに行けるのか』と痛感しました」

 当初は盗めるだけ盗もうという気持ちで臨んだ。しかし、世界女王となった選手を擁するINACは、チーム内の競争も熾烈。「バチバチだった」環境に、仲田は気後れしてしまう。

「例えばボールをもらっても、『あの選手がボール欲しそうだな』とか、相手を優先して次のプレーを考えていました。周りに合わせるというか、自分を出せなくなってしまった」

「もっと自分からやっていいよ」。そう声かけされても、できなかった。「明日、行きたくないな」と思いながら、プレーしていたときもあったという。

「いっぱいいっぱいで、サッカーを楽しむ余裕もなく、自信もなくなっていった。今思うと、本当、心が弱かった。たぶん、周囲からも消極的な選手に見られていただろうなと思います」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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