「生理前に機嫌悪く…」「体重が重くなった」 五輪選手たちもつらかった生理と競技生活
一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)は9月6日、「女性アスリートのためのシンポジウム『生理とスポーツ』」を開催。オリンピアンと有識者による講演が行われた。今回のシンポジウムは、UNIVAS加盟大学である順天堂大スポーツ推進支援センターの協力により実現。順天堂大さくらキャンパス(千葉)にて、対面・オンラインのハイブリット形式で開催された。
女性アスリートのためのシンポジウム「生理とスポーツ」をUNIVASが開催
一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)は9月6日、「女性アスリートのためのシンポジウム『生理とスポーツ』」を開催。オリンピアンと有識者による講演が行われた。今回のシンポジウムは、UNIVAS加盟大学である順天堂大スポーツ推進支援センターの協力により実現。順天堂大さくらキャンパス(千葉)にて、対面・オンラインのハイブリット形式で開催された。
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オープニングの言葉は、UNIVAS副会長であり、元マラソンランナーの有森裕子氏。「人生を共に生きるもの同士、互いを知り、考えるシンポジウムとなってほしい。生理を語ることは、恥ずかしいことではありません。是非、一人の人間として、今日のこの時間を大事なものとして過ごしてください」と、参加者に語り掛けた。
シンポジウムは、順天堂大医学部産婦人科科学講座教授の北出真理氏、順天堂大女性スポーツの研究センターの桜間裕子氏による講演後、パネルディスカッションへ。有森氏、北出教授、桜間氏のほか、元競泳日本代表の伊藤華英氏、元ハンマー投げ日本代表の室伏由佳氏が登壇。「生理とスポーツ」をテーマに、女性学生アスリートが抱える様々な健康課題について意見を交わした。
初めに3人のオリンピアンは学生時代を振り返り、生理が心身に与えた影響について語った。「私の場合、生理がパフォーマンスに影響したことはまったくなく、ラッキーな方かもしれない」とは有森氏。「ちょっと体が重くなる、機嫌が悪くなることはあったが、長い間ない、量が多いということもなかった。また、生理が試合日にぶつかっても、当日だけ止まることもあった。うまく体を付き合っていけた方かと思う」
「有森さんと同様、生理前に機嫌が悪くなった」と続いたのは伊藤氏。「それを自覚したのは20歳の頃。それまではあまり考えたことがなかった。(月経前になると)体重が重くなり、メンタルが波打ってしまい、一緒に練習している選手に当たったりもした。当時は、個人的な対処しかしていなかった」
比較的、生理の影響は少なかったという2人に対し、室伏氏は心身ともに影響が大きかった、と話す。
「トレーニングをして、調子を上げなければいけないのに、生理前になると体が言うことをきかなくなる。思い通りにいかないので、イライラしたり、すごく不安になったりもした。
私のやっていた競技(円盤投げ・ハンマー投げ)は、かなり機敏な動きが求められた。例えば、つま先の底背屈を速やかに繰り返して力を出すが、下肢がむくんでうまく動かず、動作のタイミングがずれてしまう。
生理前は頑張らないと体が動かず、調子を落としそうになるが、頑張らないといけない内容が技術ではなく、生理であることがつらかった。高校時代はコーチである父にすごく当たっていた」