「胸が揺れてる」とSNSで揶揄された体操・杉原愛子 未来に願う女性のユニフォームの選択肢
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。5日目は「女性アスリートとユニフォーム」。体操の東京五輪代表・杉原愛子(武庫川女子大)が登場する。
「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」5日目 テーマは「女性アスリートとユニフォーム」後編
「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。5日目は「女性アスリートとユニフォーム」。体操の東京五輪代表・杉原愛子(武庫川女子大)が登場する。
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近年、スポーツ界の性的画像問題の議論の高まりとともに、陸上などの女子選手のユニフォームの機能性と肌の露出がクローズアップされる。体操競技もその一つ。昨夏の東京五輪でドイツ代表が足首まで覆うユニタードを着用し、話題になった。後編では、杉原が性的視線を受けた過去の葛藤を語り、女子選手の多様なユニフォームの選択肢への願いを明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・出口 夏奈子)
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「自分の一番着たいレオタードで試合をしたいし、それを着て東京五輪の代表に選ばれたいという気持ちが強かった」
腰の位置に黒ベルトがデザインされた、“勝負カラー”の真っ赤なレオタード。デザインだけでなく、サイズ感や着用性も含め、フルオーダーで自分のためだけに作られたレオタードを着用して、杉原愛子は昨年5月のNHK杯で東京五輪の代表入りを決めた。
レオタードは競技性をより高めるためのユニフォームであり、競技の美しさをより際立たせるアイテムでもある。そのため、水着のように体にピタッとフィットし、ボディラインが露わになってしまう。
「体操はそういう採点競技だし、美しさを競う競技なので、体型からもスタイルをより良く見せるとか、手足を長く見せるとか、立っているだけで美しく画になる選手になりたいので、そういう点はあまり気にならないです」
4歳で体操を始めた頃からレオタードを着用して練習していたからか、杉原は「あまり気にならない」と口にする。
昨年の東京五輪ではドイツ代表チームがボディスーツのように足首までを覆う「ユニタード」を着用して話題になった。杉原は「間近で見ていない」と話したうえで、「あれもアリなんだって初めて知った」と明かした。ただ、自身はユニタードの競技性については少し懐疑的だ。
「足を抱え込む演技のときに、素材に慣れていないと滑ってしまうので。普段の練習のときからユニタードを着用していればいいとは思うんですけど、試合だけとなると、私は怖いのであまり着たいとは思わなかったです」
そしてもう一点、杉原が首を縦に振らない理由がある。それが、見た目の美しさだ。
「欧米人はもともと脚が長いけど、日本人はそうじゃないから。素材は違いますけど、アップのときにロングスパッツを履くこともあるので分かるのですが、ジャンプのときの脚の開き方、見せ方が、どうしても脚が長く見えることが重要になってくるので、私はあまり好んでは着ないと思います」