東京五輪で女性アスリートに変化 ヘア&ネイルの個性「自信を引き出す一つの選択肢に」
スポーツクライミングで光ったヘア&ネイルの個性
2人は正反対なタイプに見えつつ、芯にある熱い部分や負けず嫌いな部分は共通していて、とても魅力的な姉妹です。大会中は、強豪国相手に競り合い、懸命にコートを駆け抜ける姿、声を掛け合う姿から全力でやり切る覚悟を感じ、かっこよかったです。
フィールドホッケーで交流がある選手の中には、五輪開催の延期が決まってからの1年間で代表活動を引退した選手、代表選考から外れた選手もいます。それでも彼女たちが、出場する仲間たちにお守りや手紙を渡したり、大会中、テレビの前で応援を届けたりしている姿をSNSで見かけました。同じコートに立っていなくても、振る舞いやひたむきさ、仲間を大切に想う気持ちが伝わり、美しいなと思いました。
東京五輪から初めて採用されたアーバンスポーツのなかでは、スポーツクライミングの野口啓代選手、野中生萌選手の個性光るヘアスタイルやメイクに注目していました。
野口選手のトレードマークであるシャネルのリボンを結ぶポニーテールは、今大会では五輪カラーの赤・黄・緑・青色を細かく編み込んだヘアスタイルに。野中選手は、髪の毛をオレンジ色に染め、意志の強さを感じる眉やアイメイクを施しています。同年代から「メイクを真似したい」「かっこいい」などの声も多くネットに上がっていました。
今大会でアスリートたちは、リオデジャネイロ五輪時以上に、ヘアスタイルやネイルなどを楽しんでいる様子が見受けられたように思います。選手たちにとってそれが、自分らしさや自信を引き出す一つの選択肢として浸透していくことを願います。
そして、「ビューティー」という視点から、憧れのアスリートのようなウェアのコーディネートをしてみよう、ヘアスタイルやメイク、ネイルをまねしてみたいと興味を持つことで、多くの方が「スポーツをする、観る、支える」のきっかけになると考えられますし、オリンピックのミカタ、スポーツのミカタが広がると嬉しいです。
■花田真寿美 / Masumi Hanada
1987年生まれ、富山県出身。小学3年生からバドミントンを始め、大学2年生まで続ける。29歳だった16年から「アスリートビューティーアドバイザー」として活動を始め、19年に日本アスリートビューティー協会を設立。昨年10月からは「チーム・アスリート・ビューティー」を立ち上げ、元競泳日本代表・伊藤華英さんのほか、管理栄養士、パーソナルカラー診断士、皮膚科専門医ら7人で協力し、それぞれのジャンルで“美”を追求したオンラインプログラムを提供している。
(花田 真寿美 / Masumi Hanada)