空手・清水希容の吸い込まれる目力を生んだ工夫 専門家「アイメイクで気迫を演出した」
採点競技におけるメイクの必要性「世界観を作る手段として美しさが存在」
メイクの観点でいうと、目力をつけることで可愛らしさ、柔らかさとは反対の力強さ、シャープさを印象付けられます。また、今大会も予選から見ていてもしっかりとメイクをしている選手が多い。眉山をしっかり描いたり、口紅をつけていたり。眉を太く、長めに描いている選手が見られたことも空手選手の一つの特徴。アイメイクの工夫で表情を大きく見せることにつながり、表現する世界をより作りやすくなります。
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空手の形もその一つですが、同じように採点競技であるアーティスティックスイミングや体操などはメイクに力を入れています。一般の方からすると、「スポーツで競い合う時にメイクは必要あるのか」と思われるかもしれません。
しかし、これらの表現が求められる競技は、美しさが表現につながってきます。その作品や世界観を作る手段としてメイクや美しさがある。そうやって演じる側が突き詰めた「美」に見る側も魅了され、夢中になれる。だから、“表現としての美しさ”の追求はスポーツにおいても必要なこと。ただ、今はさまざまなジェンダーの問題や、性的消費問題もあり、そこは区別されるべきだと考えます。
「魅せる武道」である空手の形においては、メイクが表現を手伝ってくれる位置づけ。目力を演出する点が他の競技とは異なる個性です。その中で清水選手が見せてくれた「強さ」と「美しさ」はこの種目の魅力を表現してくれる素晴らしいものでした。
■花田真寿美 / Masumi Hanada
1987年生まれ、富山県出身。小学3年生からバドミントンを始め、大学2年生まで続ける。29歳だった16年から「アスリートビューティーアドバイザー」として活動を始め、19年に日本アスリートビューティー協会を設立。昨年10月からは「チーム・アスリート・ビューティー」を立ち上げ、元競泳日本代表・伊藤華英さんのほか、管理栄養士、パーソナルカラー診断士、皮膚科専門医ら7人で協力し、それぞれのジャンルで“美”を追求したオンラインプログラムを提供している。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)