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「まじめなアスリート」こそ危険な摂食障害 鈴木明子と専門家が考える怖さと原因とは

「日に日に食べられなくなり…」 摂食障害に悩む参加者に鈴木さんが送った言葉

 月経とコンディショニングのテーマを挟み、最後に質問コーナーを実施。事前に参加者から寄せられたものに鈴木さんが答える形で行われた。中には今まさに摂食障害に直面している女性からの悩みもあった。

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――食べる時が怖い時、どう対処していましたか? 摂食障害で休んでいる時、復帰後の不安はなかったですか? 私は体重を増やすために今、休んでいますが、少しでも増えることに抵抗があるのか、日に日に食べられなくなり、休む前より食べられずに体重も減り、不安を感じています。

鈴木「食べなきゃいけないことは分かっているけど、分かっていても食べられないもの。私も最初は母に泣きながら『お願いだから食べて』と言われても食べられず、すごくダメな娘だと思ってしまい、食への恐怖はずっと続きました。もし、少しでも食べられる物がある段階なら、それを自分で認めて、無理せずに少しずつ食べていくこと。あとは競技に復帰したいと思うなら、体重を落とすことや痩せることを目標にするのではなく、出したい記録やパフォーマンスを思い描いて、それに向けた体を作ること。痩せることだけがダイエットじゃない。なぜこの競技をしたいのか、本来の目標をもう一度描いて、そのために自分が何をしていくべきかを考えると、食べることだけへの執着が消えていくのかなと思います」

――もし、現役時代に戻れたら摂食障害に対応するために具体的にどう取り組みますか? 今も食べ物に対する罪悪感を消せなくて苦しんでいます。私は将来、この経験を生かしてスポーツドクターになりたくて勉強しています。

鈴木「私自身も罪悪感が物凄く大きかったです。食べ物には罪は全くなく、栄養を受け取れる物なのに、そこに良い悪いをつけてしまっていました。これは食べていい、これは食べたらダメと。自分にどのくらい栄養が必要で、それがどうコンディションつながるかを全く理解しておらず、カロリーが低ければいいと、数字だけに執着していました。食べ物は決して悪ではなく、私の体を作ってくれるもの。そのメカニズムが分かると、今はトレーニングで疲れているので食べた方が体は喜ぶなとか、使った分のエネルギーを補わないといけないからたんぱく質、ビタミンも補わなきゃとか、興味を持てるようになる。そうなれば、きっと罪悪感じゃない方に意識が向いてくれるのではないかと思います」

 イベント終了後には取材に応じ、1時間を振り返った鈴木さん。なかでも、質問コーナーで触れた切実な声は「やっぱり、まだ摂食障害に苦しんでいる人が多いんだなとリアルに感じることができました」という。

「私がこういう活動をするのは、そういう人を一人でも減らしたい思いからです。今、壁にぶつかっているかもしれないですが、私の経験を聞くことで、何かひも解いていけるきっかけになってくれたら。私自身もそうでしたが、そのさなかにいる時は客観的な視点が持てず、『きつい、つらい』ばかりになってしまいます。今日をきっかけに少し視点を変えて、どうしていくべきか道しるべができたらいいなと思います」

(イベントレポート第2回「月経とコンディショニング」に続く)

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)


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