[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

登坂絵莉、次世代のために明かした月経と体重管理「恥ずかしがらないで理解を深めて」

体重管理は「無理なく、長期的に」が理想「自分に合ったやり方を見つけて」

 登坂さんは参加者からの質問にも回答。柔道部の中学2年生から生理と試合が重なることへの不安が寄せられ、登坂さんは「私は生理痛が一番つらかったので、痛み止めを飲んでいました」と語り、経血が漏れる心配については「生理中はナプキンが気になるという選手もいる。私はタンポンを使い、心配な時は夜用のナプキンも使うことで、その問題はクリアしていました」と経験談をもとにアドバイスを送った。

 イベントでは競泳出身の伊藤さんが北京五輪で月経周期が重なり、知識がないままピルを服用したら体質に合わずに3キロ太ってしまったことなど、アスリートならではの経験を明かした。さらに、須永教授は無月経がコンディショニングと女性の体に及ぼす影響、競技をする上でピルを服用する際に注意すべきことなど、専門家の立場として講義を行い、1時間にわたるイベントは幕を閉じた。

 イベント終了後、取材に応じた登坂さん。今回のイベントに参加した理由については「中高生くらいの子たちは生理にまだ少し抵抗があると思う。でも、女性には当たり前にあること。そこを恥ずかしがる必要はないし、もっと理解を深めて、自分の競技、生活のプラスになってくれればと思いました」と明かし、「私自身、女性アスリートのコンディションを考えるきっかけになり、すごく勉強になりました」と振り返った。

 月経については、1年半も止まったことがあるという。それはリオ五輪までの期間。「オリンピックが終わって実家に帰ってきた日に生理が来ました。それは減量というより、精神的な部分が大きかったと自分では思います。(無月経について)検査もしてもらって問題はなかったので、すごく複雑な問題。メンタルも月経周期に影響するのかもしれないと、勉強になりました」と明かす。

 イベントでは、現役生活で唯一という体重管理の失敗談を披露。リオ五輪前最後の大会で従来の短期的な減量から、2~3か月かけた長期の減量を試したところ、パワーが足りずに試合で負けたというエピソードだった。しかし、登坂さんは「私自身が『これ(短期的な減量)が正しい』と思っているわけではなく、私の場合は私に合っていたというだけ。体にとっては無理なく、長期的にやっていくことが一番だと思います」と強調した。

「私のようにアスリートの立場で発信してしまうと、それが正解に思われがち。そこは間違えてほしくない。自分に合ったやり方を見つけてほしいです」と一人一人が自分の体と向き合い、ベストを探してほしいと願った登坂さん。最後に、こんなメッセージを送ってくれた。

「一番は中高生のうちに過度な減量はしないでほしいということ。目先の結果だけじゃなく、長い目で一人の人間として考えてほしい思いが私にはあります。私は生理が止まったことがありましたが、『別にいっか』と思っていた部分がありました。でも、今になってみると、もっと真剣に考えないといけない問題。来なければいけないものが来ないのは大変なこと。もし、思い当たる子は一度、病院に行って対処法を見つけてほしいです」

 胸の内の真ん中にあるのは、次世代の女性アスリートに対する想い。競技と健康を両立させ、成長してくれることを現役金メダリストは心から願っている。

(THE ANSWER編集部)


W-ANS ACADEMY

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集