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女子選手が妊娠するタイミングの難しさ 妊娠8か月の横峯さくらと大山加奈のリアルな声

FIFAで導入する産休制度、ゴルフ界では米LPGAで託児所を設置

 昨年12月、国際サッカー連盟(FIFA)は女子選手の産休を制度化する決定をし、画期的な取り組みとして話題になった。ゴルフ界に目を向けると、全米ゴルフ協会(USGA)は昨年、男子選手も女子選手も最大2年間の産休が取れ、復帰後はUSGA主催大会の出場権を保持できると規則を改定。日本LPGAでは、シード権を持つ選手は出産日から最大36か月間の産休と復帰後の出場権回復が決められている。

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 女子選手の多いゴルフ界は、比較的早くから女性に優しい両立を後押しする制度が設けられている。だが、他競技において、特に日本では依然として「結婚、妊娠=引退」という選択がほとんど。大山さんは「現役選手の選択肢を増やしてあげたい。競技を続けながら、安心して出産ができる環境作りをしていかないと」と話す。

 朝、米LPGAが会場に設ける託児所に子どもを預け、ラウンドを終えたら子どもを迎えに行き、夜は家族全員で食事を楽しむ。そんな外国人選手の生活を目の当たりにした横峯は「プライベートでの幸せと、競技を追求することは分けて考えなくてもいい。リンクするんだと気付きました」と話す。1人でも多くの選手がプライベートと競技を両立できるように、将来的にはツアー会場に保育士が常駐するキャンピングカーを用意し、他のツアー参加選手も子どもを預けられる場所を提供するという大きな夢を持つ。

 いつまでも現役アスリートでいられるわけではないし、いつまでも妊娠できるわけでもない。スノーボードの五輪メダリスト・竹内智香は先日、卵子凍結という選択肢を明かし、注目を浴びた。不妊治療と並行して、卵子凍結の説明も聞きに行ったという大山さんは「結婚するしない、子どもを持つ持たないの選択はもちろん、幸せの形はさまざま。いろいろな選択肢があっていいし、どの選択肢も尊重される世の中になってほしい」と語る。

 ともにコロナ禍で迎える初産。もちろん不安はあるが、すぐそばに同じ状況にある友人がいる心強さもある。互いに「元気な赤ちゃんが生まれるように頑張りましょう」とエールを送って締めくくられたトークイベント。出産後も時期を見ながら、育児についてのリアルな声を届けるイベントを実現させたいという。こうした発信の積み重ねが、女性アスリートの選択肢を増やす原動力となるはずだ。

(THE ANSWER編集部)


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