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女子選手が妊娠するタイミングの難しさ 妊娠8か月の横峯さくらと大山加奈のリアルな声

女性アスリートの多くが直面する悩みの1つ、それが競技と妊娠・出産・子育ての両立だ。アスリートとして競技を究めることと、女性として家族を持つこととは、二者択一の選択肢なのだろうか。

大山加奈さん(左)と横峯さくらがオンライントークイベントを開催した【写真:編集部】
大山加奈さん(左)と横峯さくらがオンライントークイベントを開催した【写真:編集部】

親交深い2人がオンライントークイベントで語った「スポーツとプライベート」

 女性アスリートの多くが直面する悩みの1つ、それが競技と妊娠・出産・子育ての両立だ。アスリートとして競技を究めることと、女性として家族を持つこととは、二者択一の選択肢なのだろうか。

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 女性アスリートが安心して競技と私生活を両立できる環境を作るべきだと考える2人がいる。現役プロゴルファーの横峯さくらと、女子バレーボール元日本代表の大山加奈さんだ。同じ妊娠8か月で、2月に出産を控える2人が昨年末、YouTubeライブでキャリアと子育てについて語るオンライントークイベントを開催した。

 妊娠発表後も11月に開催された「TOTOジャパンクラシック」に出場した35歳の横峯と、双子を身ごもりながらバレーボールやスポーツの普及活動を継続する36歳の大山さん。2年前にイベントで同席した際、年齢が近いこともあって意気投合したという2人は、今では互いの自宅を行き来するほど親交を深めている。そんな2人が偶然、同時期に妊娠。トークイベントでは、後輩たちの参考になればと、女性アスリートが抱える悩みや不安について本音で語り合った。

 2014年に結婚した横峯は「ずっと子どもが欲しいと思っていたけど、ゴルフも楽しいし、試合に出たかった」と、キャリアを優先させる日々を過ごしていた。だが、米女子ツアーを主戦場にすると、そこには妊娠・出産を経てもなお現役を続けることは当たり前の世界があったという。競技と私生活は両立するものだと実感した横峯は、コロナ禍でスポーツ界を取り巻く状況が不透明だった中、自身の年齢も考えて妊活に踏み切ったそうだ。

 2010年に現役引退した後、解説や講演活動などに勤しむ大山さんは、しばらく不妊治療を続けていたが一時中断。東京オリンピック開催後に再開しようと考えていたところでコロナ禍に見舞われ、同じく自身の年齢を考えた末、不妊治療を再開すると双子を授かったという。

 2人が口を揃えて言うのが「妊娠するタイミングの難しさ」だ。現役選手の場合、妊娠すれば出産も含め、競技から一定期間離れなくてはならない。自身が不在の間に状況が変わる恐れがあると同時に「妊娠して股関節や骨盤周りが緩んでくると、それまでの体から変わってしまう不安」(大山さん)もある。あらゆることに関して先の見通しが立たない不透明さが、女性アスリートが現役中の出産に二の足を踏む大きな要因なのかもしれない。

「2月に出産した後、順調ならば9月を目処にツアー復帰を考えています」という横峯も、「出産を終えた後にどんな体の変化があるのか、分からなさすぎる部分が多くて……」と苦笑い。「ただ、復帰は慎重にしないと、後々まで響いてきてしまうので」と、あくまで9月を目標としながら体調や状況を見ながら決めていくというが、不安とは常に背中合わせだ。

 双子をお腹に宿すため「動悸と貧血が辛い」と外出を控えている大山に対し、横峯は「妊娠何週目までラウンドを回れるのか記録をつけています」と活動的だ。だが、血糖値が上がる妊娠糖尿病と診断されてしまい、1日4回も血糖値を計りながら、こまめに食事をとる日々。未知の経験ばかりだが、妊娠中にツアーに参加したことで「今までにない発見がたくさんあって、得た物は大きいですね」と充実感は大きい。

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