「私にはメリットしかない」 杉山愛にとって配偶者が公私に渡るパートナーである意味
女子テニスプレーヤーとして活躍した杉山愛さんは、ダブルスで達成したグランドスラム優勝4度は日本人歴代最多。日本人初のダブルス世界ランク1位に君臨するなど、34歳まで第一線でプレーした。引退後はテレビのコメンテーターや解説者として、また自身が代表を務めるテニスアカデミーで後進の指導に当たるなど、多彩なフィールドで活躍している。
2011年に結婚した走さんが仕事のマネージャーも“兼任”
女子テニスプレーヤーとして活躍した杉山愛さんは、ダブルスで達成したグランドスラム優勝4度は日本人歴代最多。日本人初のダブルス世界ランク1位に君臨するなど、34歳まで第一線でプレーした。引退後はテレビのコメンテーターや解説者として、また自身が代表を務めるテニスアカデミーで後進の指導に当たるなど、多彩なフィールドで活躍している。
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そんな杉山さんを支えているのは、2011年11月に結婚した6歳年下の走(そう)さんだ。家では夫としてパパとして、仕事ではマネージャーとして公私に渡るパートナーとしてサポートしている。
活躍の場が広い杉山さんにとって、配偶者が仕事面でもパートナーを務めることは、どんな意味を持っているのだろうか。「THE ANSWER」のインタビューで語ってもらった。
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杉山さんは2009年に現役を引退。11年11月に結婚し、現役時代を含めて10年間、所属していたマネジメント事務所を離れたタイミングで妊娠が明らかに。以降は夫の走さんからマネージャーとして仕事の面でもサポートを受けるようになった。
「ちょうど妊娠が分かって、体にもちょっとした不安があった時期でした。私の中では仕事は仕事で、プライベートはプライベートという考え方。なので、大丈夫なのかなという思いはありました。その場ですぐに(マネージャーを)考えたわけではないですが、主人も選手を支えていた経験があったので、特に妊娠して間もない時期は、主人がサポートしてくれる形がベストではないかと思い、とりあえずトライアルという形で任せてみようかなと」
2014年のことだ。妊娠のタイミングも重なり、公私に夫婦二人三脚で歩み出すことになった。元プロゴルファーの走さんは、杉山さんと出会う前からアスリートのマネジメントに携わったこともあった。杉山さんは本来、プライベートと仕事は分けたいタイプだったというが、気心知れた配偶者との時間は仕事になっても居心地が良かった。
「そこから一緒に働き出したら、楽で心地良い。引退して5年経っていましたが、私自身やりたいことが見つからない中で、模索していたところでした。私がやりたいことは何なのか、主人とタッグを組んで仕事をすると、それが明確になってきて、体的にも精神的にも安心感が生まれた。私がやりたいことを親身になって探してくれる中で、自身の答えも分かった。だから、私にとってはメリットしか見つかりません」
最も身近な存在として走さんは杉山さんの性格や、やりたいことを知り尽くしている。仕事でも痒い所に手が届く。杉山家では「人生の伴侶=良きマネージャー」という図式が成り立った。
「自分にとっての天職も見つかり、本当にプラスになった面が多いです。最初は、お互いのペースを掴むまでは小さな喧嘩もありました。気持ちの面でも、仕事の捉え方も違ってはいましたが、そこはコミュニケーションをと取りながら、話し合いながらやっていけばクリアできることでした」