「スポーツも子育ても同じ」の真意 ママになったオリンピアンが気付いたこと
「アスリートとして得たことが、ママ業にもすごくプラスになっている」
子ども中心の生活とはいえ、子どもに依存しているわけではない。大切なのは「自分自身がどう判断して、どう子どもに接するか」。大人が主体性を失わないことだ。“子は親を映す鏡”とよく言うが、親の在り方次第で「子どもの育ち方や性格はすごく変わってくると思います」と言葉を繋ぐ。
「いかに自分をコントロールできるか、整えていくか、ということを考えてやっています。いつもイライラしていると子どもに伝わってしまうので、いかに楽しく生活していくか。考え方や喋り方、物事に取り組む姿勢、すべてが子どもに伝わってしまうので、そういう部分は自分の中で正し、何が重要なのか日々見つけていく感じですね」
自分をコントロールしながら、ママとしての日々を過ごす中で、ふと気が付いたことがあったという。「アスリートとして得たことが、ママ業にもすごくプラスになっている」ということだ。
「スポーツは結果がすぐに出るわけではないので、その過程がすごく大事です。子育ても同じで、子どもはすぐにいろいろできるわけじゃない。そこで答えを教えずに、イライラせずに、グッと我慢して見守ることがすごく大事なんですね。声掛けのタイミングもすごく大事で、アスリートとしての経験から『今、サポートが必要だ』とか『今は必要じゃない』とか、割としっかりタイミングを見極められていると思います。それは自分にとって大きな発見でしたし、すごくいいなと思っています」
競技生活も子育ても、結果はすぐに出てこない。「過程が大事」という両者を結ぶキーワードが見えた時、ママ業にアスリートとしての経験が大いに生かされるようになった。
「アスリート時代、私は何事も諦めずに続けることを意識していました。なので、何かに挑戦して、1回できなくて嫌になってしまった子どもを見た時、『大丈夫、あなたならできるから大丈夫』と声掛けしたり、『みんな、すぐにはできないからね』と伝えたりできる。アスリート時代の自分に必要だった声掛けを、今は子どもたちに向かって発している感じで、子育てにとてもプラスになっていると思います」
自身の体験に基づいた言葉だからこそ、子どもたちにも温かさを持って響くのかもしれない。