栗山監督に「凄い謝られた」 WBCは7打席、山川穂高に見た献身性「僕は出ない方がいい」
メキシコ戦後に語った「僕が出ない展開の方がいい」の本心
日本が奇跡のサヨナラ勝ちを決めた準決勝のメキシコ戦、山川は2点を追う8回1死二、三塁の場面に代打で登場。レフトへ貴重な犠牲フライを放っている。決勝でもここぞの一打に期待をかけられていたが、メキシコ戦後に本人は「できたら、僕が出ない展開の方がいい(笑)」と思わぬ言葉を残している。
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「(代打で山川が)出るということは、負けているということですからね。出ないで勝った方が、ちゃんといいゲーム。僕、出ない方が絶対良いっすよ(笑)。ホント、そうなんですよ。5点差くらい開いていたら絶対出ないし、負けているから代打がある。負けてない方が本来いいので」
出場に飢えてもおかしくはない。でも、日本の勝利を考えれば、自分が代打で登場するシチュエーションは来ない方がいい。山川は本心からそう思っていた。一方で「(出番が)回ってきたらひっくり返しますよ。頑張って。その気持ちで頑張ります」と準備も怠ることはなかった。
「早くストレッチしたいんですよ」。練習にいち早く姿を現す理由はシンプルだ。「最高の準備をした状態で試合に入れば、いい結果が必ず出ると信じている。あたふたした状態で試合に入ると後悔することが多くて。準備して結果が出なくても、後悔することもない」。侍ジャパンでも西武でのスタイルを貫いた。
献身的に侍ジャパンに貢献した31歳。「野球を続けていると、苦しいことも悔しいこともいっぱいありますけど、乗り越えれば最高の瞬間が味わえると改めて感じさせてもらえた」とWBCでの経験を回顧。「全国の野球少年、少女たちもこれを見て、どんどん日本の中で野球をやる人が増えればいいと思う」。最後の最後まで、野球への真摯な思いが溢れていた。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)