なぜ、WBCはプエルトリコ人に重要なのか マイアミ到着の朝に出会った同国記者を直撃
WBCは一大イベント、それでも大会運営に思うこと「その方がフェアだ」
ディアスの故障後、米記者からは「MLBがWBC参加で恐れていたこと」などとMLBシーズン開幕前の怪我の影響を指摘する声が上がった。
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「MLBのチームがそう思うのは当然だと思う。彼らはそのために選手に投資をしているのですから」とゴンザレス氏も同意するが、「しかし、私たちプエルトリコ人からすれば、WBCで島を代表して戦うというのは何よりも大きなこと。大きなエネルギーと情熱を持って戦っているんだ」とも語った。
なぜ、プエルトリコではWBCが一大イベントなのか。答えはシンプル。「サッカーではFIFAが、バスケットボールではFIBAがワールドカップをやっており、それぞれ一番重要な大会になってる。野球については、それはWBCだよ」。ただ、現時点の大会運営に思うところもあるようだ。
「サッカーはFIFAが、バスケットボールはFIBAが大会を運営しているけれど、WBCを運営しているのはMLB。だから、MLBが第一、WBCは第二、という優先順位になってしまう。WBCは国際的な野球連盟が運営するべきだと、私は思っている」
1次ラウンドではドミニカ、ベネズエラらと同組に入り「死の組」とも呼ばれた。プエルトリコは2位で勝ち上がったが「(組分けは)均衡がとれていなかったと思う。3国がそれぞれ別のプールに入っていたら、全チームその組を制していたかもしれない。WBCはFIBAのように抽選で決めるべき。そのほうがフェアだから。プエルトリコは火のようなプールに入れられてしまった」とも意見を語っていた。
いずれにせよ「WBCはもっともっと重要な大会になると思っている」との期待は、多くの日本の野球ファンと同じ。「日本には死ぬまでには行かないとね!」と朝から茶目っ気たっぷりだったゴンザレス氏に長いフライトの疲れを癒してもらうと共に、野球で世界は繋がっているんだと実感したひと時だった。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)