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チェコ代表が“1球で奪三振”の珍事 投手が49球で続々降板、WBCルールが招いた理由とは

「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」1次ラウンド(東京D)で10日、チェコ共和国の投手が1球で奪三振を記録する珍プレーがあった。予選を勝ち抜きWBC初出場を果たしたチェコはこの日の本大会初戦で中国と対戦し、8-5で劇的な逆転勝ちを収めた。11日には日本と対戦する。

チェコは2番手マルティン・シュナイダーから3番手のミハル・コバラに継投した【写真:Getty Images】
チェコは2番手マルティン・シュナイダーから3番手のミハル・コバラに継投した【写真:Getty Images】

「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」1次ラウンド

「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」1次ラウンド(東京D)で10日、チェコ共和国の投手が1球で奪三振を記録する珍プレーがあった。予選を勝ち抜きWBC初出場を果たしたチェコはこの日の本大会初戦で中国と対戦し、8-5で劇的な逆転勝ちを収めた。11日には日本と対戦する。

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 チェコが4-1とリードして迎えた6回の守備。2死一塁の場面で中国の4番チェン・チェン内野手をカウント1-2と追い込んだところで、5回から登板していた2番手のマルティン・シュナイダー投手から3番手のミハル・コバラ投手に継投。弱冠19歳のコバラは自身にとって初球の130キロのストレートで、チェン・チェンを空振り三振に仕留め、飛び跳ねるようにしてベンチへと凱旋した。野球規則では、打席の途中で投手が交代して三振に仕留めた場合、救援した投手の記録となると定められている。

 故障が発生したわけではない。シュナイダーの投球数が49球に達したことが、継投の理由だ。WBCのルールでは、1次ラウンドでは投手は65球まで(打者の打席中に達した場合は、その打席が完了するまで)投げることができるが、50球以上投げた場合は次の登板まで中4日、30球以上を投げた場合は中1日のインターバルを空けなくてはならない。日本のように優秀な先発投手が4人以上そろっているならともかく、そうでない場合、いい投手には長いイニングよりも、短い間隔で数多くの試合を投げさせたいと考えるチームが多いようだ。

 チェコは先発のダニエル・パディサク投手も、4回ノーヒット2四球無失点の快投を演じながら、49球で降板した。相手の中国も、先発チャオ・フヤン投手の乱調を受けて、初回1死満塁で登板した2番手チェン・チャオクン投手が2回1/3、49球2安打1失点。3番手のアラン・カーター投手も3回46球1安打1失点で、50球を超えることを避けた。チェコのパベル・ハジム監督は「投球数が非常に大きな影響をもたらす大会ですから、今日の勝因の1つは先発のパディサクが初回を13球、2回も13球で切り抜けられたことだと思う」とイニングを稼いだ先発投手を称えた。

 チェコは7回に試合をひっくり返されたものの、1点ビハインドの9回1死二、三塁でマルティン・ムジーク外野手が左翼ポール際へ劇的な逆転3ラン。最終的に8-5で歴史的な1勝目を挙げた。11日には日本と対戦する。ハジム監督は「最初の目標は達成したが、この1次ラウンドで成功を重ねていきたい。無敵の日本との対戦を楽しみにしている」と言う。巧みな継投術と劇的勝利で得た勢いを、侮ってはならない。

(宮脇 広久 / Hirohisa Miyawaki)


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