適応障害で3か月寝たきり状態 「何だこの体は?」鏡に映った自分の姿に受けた衝撃から日本一に
“夏が一番似合う男性・女性”を決めるボディコンテスト「SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード、以下SSA)」の決勝大会が昨年12月9日、東京・TFTホールで開催され、予選を勝ち抜いた肉体美自慢が全国から集結した。ドレス部門では32歳のHitomiが優勝。翌日に同会場で開催されたNOVICE大会のビューティーフィットネスモデル部門トールクラス(161センチ以上)も制し、2冠に輝いた。適応障害と躁うつ病で3か月ほど寝たきり状態だった日々から1年半、誰にも負けない笑顔を輝かせるまでに至る経緯を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)
各コンテストで輝く選手たちを紹介「ボディコンテスト名鑑#55 Hitomi」
“夏が一番似合う男性・女性”を決めるボディコンテスト「SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード、以下SSA)」の決勝大会が昨年12月9日、東京・TFTホールで開催され、予選を勝ち抜いた肉体美自慢が全国から集結した。ドレス部門では32歳のHitomiが優勝。翌日に同会場で開催されたNOVICE大会のビューティーフィットネスモデル部門トールクラス(161センチ以上)も制し、2冠に輝いた。適応障害と躁うつ病で3か月ほど寝たきり状態だった日々から1年半、誰にも負けない笑顔を輝かせるまでに至る経緯を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)
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自信に満ち溢れた堂々としたパフォーマンスからは、自暴自棄になり、3か月間寝たきりだった過去はとても想像できなかった。Hitomiは眩い笑顔を絶やすことなくステージ上を闊歩。褒められることが多いという「表情」は一番の武器だ。
表彰式後の取材でも常に微笑みをたたえていたが、家族への想いを語り始めると、涙が溢れて言葉に詰まった。
「頑張れたのは家族の支えがあったから。本当に、家族に恩返しできて良かったです」
歯車が狂ったのは2022年3月のこと。「仕事とかで色々疲れちゃって」。適応障害と躁うつ病になり、メンタルを保てない状態に陥った。仕事には行けなくなり、家に籠りっきりに。「ずっと寝ていて、ご飯も食べられないし、お風呂も入りたくない。その時の記憶がもうあまりない」。何もできない自分に、さらに嫌気がさした。
「もうとにかく『どうにでもなれ。何でもいいや自分なんか』みたいなことばかりが溢れ返っちゃって。子どもとも遊べないし、あの時期は本当に辛かったです」
そんな時に側にいてくれたのは、高校生の頃から10年以上の付き合いになる夫と、最愛の息子だった。家族の励ましを受けながら精神科にも通院。薬による治療が功を奏し、少しずつ回復へ向かって行った。ただ、4月から6月まで寝たきり状態だった体はボロボロになっていた。
鏡に映った自分の姿に「何だこの体は?」と衝撃を受けた。「まだ大丈夫だろうと思っていたけど、写真を撮ってもらったら本当にひどくて」。何でも言い合える関係だという夫からも「お尻垂れてるよ」と正直な一言。これで決心し、まずは自宅でトレーニングを始めた。